10: ◆7SHIicilOU[saga]
2014/07/14(月) 19:28:04.56 ID:tzQxSdFRo
私がアイドルをやってるのは、逃げてきたから。
今まで居た世界から、逃げ出してきて、
でもまったく違う世界に行く勇気も無くて。
母が私にかけた呪いから、いまも抜け出せないで居る。
全身に絡んだ操り糸は、まるで蜘蛛の巣。
私は、結局なにもせず談話室をでていった。
―――
「ねぇねぇ、プロデューサー。このあとご飯食べに行こうよー」
「悪いけど今度にしてくれ。今は忙しくてな」
「えー!」
事務室に呼び出されて入っていくと、
プロデューサーはアイドルに昼のお誘いをされていた。
どうにも、彼に対して苦手意識というかを持っているのは私だけで、
この事務所のアイドル達は皆彼を信頼しているみたい。
いや、私だけじゃないか。きっとあの小さい彼女もそう。
彼女もどこかに誘ったり一緒に食事したりしているのを見たこと無いから。
「プロデューサー、いいですか?」
いつものあの困った笑顔で断りを入れていた彼に声をかける。
するとようやく私に気がついたのかやっとこっちを向く。
「おう、悪いな岡崎。……ほら唯また今度な」
「ちぇー」
ポンポンと頭を軽く叩いてあしらう彼。
子供に対する、大人の対応。大人、大人。
「それで、なんでしょうか?」
「あぁ、ちょっと会議室に行こう。ここじゃあれだからさ」
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