過去ログ - 続・スーパーカンタイロンパ2 -さよなら絶望鎮守府-
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943: ◆jPpg5.obl6[saga]
2014/11/17(月) 23:14:22.26 ID:kBwELRfH0
<再開>

数時間後 玄関前


吹雪「・・・天龍サン、そのウィッグ付けていくんですか?」

天龍「ああ。龍田の気持ちが少しでも分かるだろ?」

自分の血液型に合わせて、少しづつ回復の兆しを見せる吹雪。

天龍「・・・それによー、外に出ている間は全部受け止めるんだ。俺への恨みや龍田の恨みも。龍田が・・・江ノ島盾子のは知らねぇけど・・・広がったモノクマ(絶望)は始末するまで轟沈(ころ)される訳にはいかないからな」

天龍「いざって時は小隊のメンバーが協力してくれるさ」

「超艦隊級の絶望」は「超高校級の絶望」が与えた損害以上で、テレビ放送により中核と知られてしまった。生き残りの艦娘の中にも絶望に染まっていない者は多い。

そんなものからすれば天龍は「世界の仇」の1人である。

さらに言うなれば、江ノ島盾子の絶望に染まった者や龍田に影響された者にとっては天龍は裏切り者でしかない。

つまりは、全ての人類そして艦娘を敵に回した絶望的な状況であるが---

天龍「別にいいぜ・・・。けど殺さないようにしねーとな」

愛宕「でも素直に自首・・・ってもの手よ?」

天龍「もう法律も、警察も軍隊も・・・国境もねーから・・・」

愛宕「私ここに残るわ!殺されたくないもの♪」

青葉「外に出ようと中に居ようと別に変わらないと思いますよ」

青葉は世界が崩壊したことを聞くとむしろ「へぇー。ますます取材し甲斐がありますね!真実は常に私の元に在りです!」と言った。

愛宕「・・・ま、それもそうね」

響「君の罪を無かったことに出来るよう工作も出来るが・・・」

青葉「あ、青葉も協力しますよー!」

天龍「サンキュー。でも助かるつもりは毛頭ないぜ」

天龍は青葉や響の提案から目をそらした後、周囲の面々に目を向けた。

手製の銃を構える響。那珂に軽口を叩く北上。レッドヘアーに戻った後何事も無かったかのようにボーキを食べる赤城。

それぞれ反応が違う。

そんな彼らの2年間を思い出した天龍は---同じ思い出を共有している吹雪にスイッチを手渡した。

天龍「吹雪・・・押せよ」

吹雪「え?私?」

天龍「ああ」(龍田は言っていた。「またここへ戻ってくると」・・・ここに記憶を取り戻す物があるのか)

「超艦隊級の敷設艦」神島の研究ファイルと「731部隊記録書」のことだろう。後者はもうないが。

「島」の単語は気になるが、いかなる絶望から目を背ける訳にはいかないだろう。

吹雪「それじゃあ・・・押しますよ」

かつてここに残ると言った少女が再び、外に出る。その結論を出すだけでどれだけ時間がかかったのだろうか。それを見せることなく、少女は絶望に立ち向かうと決意した。そんな希望を護り、最愛の妹に絶望を与える。一体どんな結末になるのだろうか。

ウィッグで前髪を抑え腕で顔を隠す。その表情は希望か絶望かは分からない。いつの間にか表情が戻っていたからだ。

それと同時に吹雪の手によってスイッチが押される。激しい警告音と共に銃器が天井へしまわれ、重い扉から光があふれ---

無限のIF(可能性)が彼らを包み込んだ。希望も絶望も、残念な少女の思いも全て等しく受け入れながら。



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