過去ログ - 先輩「そこから見えるのは、どんな景色ですか?」
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38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/17(木) 00:04:19.52 ID:5EAW9f05o



 翌日、大澤は学校を休んだ。
 風邪だと連絡が来た、と担任は言っていた。

 放課後、俺は図書室に行って借りていた本を返却したあと、いつものように部室に向かった。
 ひなた先輩はまだ来ていないらしかったが、二年の女子二人組と、それから顧問がやってきていた。

「なんだこれ」

 と、顧問はテーブルの上のリバーシのマグネット盤を見下ろしながら言った。

「リバーシです」と「あかね」が答える。

「見ればわかる」

 顧問はそう答えてから溜息をつく。

「みさと」は気まずそうに視線を落として黙りこんでしまっていた。

「べつに、遊ぶのが悪いとは言わないし、こういうものを持ち込むことについてもあんまりうるさくは言いたくない」

 やる気のなさそうな気だるげな瞳で、無精髭の伸びた口元を小さく動かしながら、低い声で顧問は言う。

「でも、メリハリはきちんとしろよ。やっていい時間とそうじゃない時間がある。
 べつに喋るのに夢中になったりするのが悪いとは言わない。和やかなのは悪いことじゃない。
 それでも、やっていい時間とそうじゃない時間くらい区別がつくだろ?」

 黙りこんでしまった「あかね」の代わりに、「みさと」が「すみません」と言ってリバーシ盤を片付けはじめた。
 顧問は貫禄ありげに頷いた。




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