過去ログ - 先輩「そこから見えるのは、どんな景色ですか?」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/07/16(水) 00:16:06.87 ID:8oJAdiKmo

 次に大澤に声をかけたのは「みさと」だった。
 リバーシは部内最弱を誇る「みさと」だったけど、大澤の扱いに関しては誰もが認めるプロフェッショナルだ。

「みさと」特有の会話のテンポや声のスピードは独特の癒し時空を発生させる。
 このときの大澤もそれによって落ち着きを取り戻すだろうと、そう考えていた俺は安易だった。

「大丈夫?」

「大丈夫じゃない!」

 予想に反し、大澤は「みさと」に吠えた。彼女は少し怯んだように見えたけれど、

「少し休んだら?」

 と真面目な顔でごく平凡な提案をした。
「少し休んだら?」は、俺の中では女の子に言われたい台詞ランキング第八位くらいの台詞だったので、微妙に羨ましかった。

 興奮した様子だった大澤も、その台詞にいくらか冷静さを取り戻したかのように見えたが、それも一瞬のことで、

「ちくしょう!」

 と大声で叫んだあと、バッと立ち上がってあっというまに部室から走り去っていった。
 ちらりと見えた彼の横顔は、泣いているようにも見えた。

 ドタドタという足音と一緒に、

「俺は人間失格だー!」
 
 というよくわからない叫び声が聞こえてきた。
 それらは廊下の向こうへとあっというまに遠ざかっていき、やがて聞こえなくなった。 

 残された俺達は途方に暮れた。




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