2: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 01:46:34.29 ID:guUfxK+j0
「ねえ」
「…。」
「ねえったら」
3: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 01:47:25.19 ID:guUfxK+j0
少しの距離を置いてはいるが、二人は正面に向き合っている。
常闇の静寂の中、空に光る星と月だけが二人を照らしている。
「ねえ、君どうしたの? こんな夜道で一人っきりじゃ危ないよ、道にでも迷ったの?」
4: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 01:48:17.36 ID:guUfxK+j0
「君、とりあえず一人じゃ危ないよ。もし道に迷ったんなら送ってってあげるけど…」
「私は、道に迷った訳じゃない。」
やっと相手が口を開いてくれた。
5: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 01:49:18.33 ID:guUfxK+j0
「道に迷ってない、じゃあ一体何しに来たの? ここら辺は辺り一面森だし…野草でも取りにきた?」
「いや、違う、私はある人を探している。」
「こんな所で? ここら辺は薄暗いし、あまり人は来ないけどなぁ、来るとしたら精々迷い人くらいだよ。」
6: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 01:50:14.28 ID:guUfxK+j0
「よかったら、君の家までついていくけど!」
「あなた、何か用事とかないの?」
「うん、一応あるけどそれは後ででもできるからさ。君みたいな一人でいる子がいたら熊にでも食べられちゃうよ」
7: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 01:51:41.13 ID:guUfxK+j0
少女はこっちにもどってくると、何故か手を握ってきた。
「この方が安心するから。」
…なんかだか喋り方が片言で可愛げがないとか思ってたけど、案外可愛いところもあるじゃないか。
8: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 01:52:35.50 ID:guUfxK+j0
とても華奢で、白い綺麗な手だった。
その手が今自分の手を握り返しているのだと思うと、何だか胸がドキドキする。
「…どうかしたの?」
9: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 01:53:41.91 ID:guUfxK+j0
「そういえば、君の家ってここら辺なの? 」
「うん、この少し先。」
「そっか、じゃあもしかしてここら辺の事は詳しかったのかな…?」
10: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 01:54:47.47 ID:guUfxK+j0
そんな雑談を交えつつ、少しぬかるんだ土の上を歩いていく。
この森は湿度が高いので土が湿っている、おかげで足跡がつくので帰り道は迷わないだろう。
「ねえ、そういえばこんな話知ってる?」
11: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 02:02:50.27 ID:guUfxK+j0
「ついた、私の家。」
「おや、早かったね、君がここの…ーーー」
その時、なんだか悪い予感がした。
12: ◆wyru0q98Sc[saga]
2014/07/17(木) 02:03:41.80 ID:guUfxK+j0
「私が探していたのは、迷い人」
「…えっ?」
少女のいきなりの告白に、少し驚く。何故今そんな事を言うのだろうか?
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