過去ログ - 【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】
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◆aGwfZTc7eA
[sage]
2014/08/29(金) 00:52:39.96 ID:lKgro4V70
「――――っ」
「――――ふぅっ」
出発してから十数分、守屋達はペースを緩めつつ、歩いていた。 歩けど歩けど、人の姿どころか、小鳥一羽の姿すら見つからないが。
守屋は一度止まる合図を後ろを歩く先峰に出し、一端歩みを止め、急に辺りを見回し始めた。
「喉が渇いたの守屋さん?」
「あ、いえ……先峰さん。 何か、感じませんか? 視線の、様な」
「視線っ? う〜ん――」
守屋の指摘を受けて、先峰も辺りを見回してみるが、人が居る様な感じは無い。
しかし、自身とは違い、荒事を幾度となく体験している守屋の疑問だ。 まるっきり、無視して良い物ではない筈。
先峰は表面上は笑顔を作り、守屋の水筒を肩から外し、水筒の蓋を取り、蓋に水を入れて、近づいた。
――守屋に聞こえる程度に、声量を下げて。
「気のせいなんじゃないですか? 水でも飲んで落ち着こう?」
「――そうですね、ありがとうございます」
守屋は水筒の蓋を受け取り、入れられた水を一気に飲みほし、片膝をついた。
これで、視線もだいたい同じになった。 礼を言いつつ、守屋は蓋を返した。
そして……"警備者"と"その対象"としての会話を始めなければならない。
「≪私、どうすれば良い?≫」
「≪今は、このまま歩き続けましょう。 仮に私達に危害を加える者だった場合は――≫」
「≪状況を見つつ、付かず離れず、よね。 最悪の場合は、一目散に逃げる≫」
「≪はい、その通りです。 場合によっては荷物も破棄します、命が大事ですから≫」
「≪わかった……じゃ、行きましょうか≫」
こうして、二人はまた歩き出す。 本当に居るか解らないは解らないが、万が一と言う事もある。
二人は決して、万が一を起こしてはならない立場なのだ。 起きてしまえば、自分達だけの被害ではスマナイ、
だからこそ、抜ける時は抜きつつも、細心の注意を払って旅をして来たのだ。
「にしても、本当誰も居ませんねー、どうしてでしょう?」
「分かりません、まだ見つけられていない未開の地なのかも知れませんが、其れも可能性の域を出ませんし」
「う〜ん、まだまだ我慢して歩くっ! しかないですねぇ――あ、水飲んでも良いですか?」
「ああ、わかりま――」
あと二文字、言葉が出なかった。 先峰が自分の分の水筒の蓋を開けようとした瞬間、
守屋が歩みを止めて、先峰に振り向いた瞬間。 守屋の後頭部の間近を"何か"が通り過ぎた。
――結果、近くにあった大木から、破裂音に近い大きな音がし、守屋達とは真逆の方向へ倒れていく。
「な――なにっ、これ?」
「武器、じゃあない……なんだっ!?」
突発的に起きた現象に驚く二人、呆然とする先峰に対し、守屋は発射されたと思われる方向へ迅速に振り向く。
そして、もう一弾、こちらへ迫っていた。 驚愕に息を飲みつつ、強い意志で、守屋は先峰を抱えて動き出す。
つい先ほど聞いた破裂音が、今度は自分達が居た位置で聞こえる。 体勢を入れ替えつつ避けた事で、
二人は突然起きた現象の正体を知ると同時に、とても――信じがたい存在を目にする。
「で――でか、い、お、大きいね守屋さんっ!」
「え、ぇぇ――に、人形、ですかね、あははっ」
乾いた笑いが出る二人、無理はなかった。 二人が見た存在、少し距離が離れているとは言え、
その奇形さが見て取れたからだ。 まず目を取られるのは金属質の"7m"はあるかと思われる巨大な棍棒、
そして、人間と同じ五体を持ちながら、4mはあるかと思われる巨大で、緑色の"肥満体"、各部に着込んでいる防具が
悲鳴を上げている様にギシギシと嫌な音を立てている。 そして、人間とは違い、鼻が長く、頭部には短い角が何本も生えている。
――どう、考えても人形ではなかった。 人間と同じ様に息をし、その大きな口からは、大粒の涎を垂らしている。
「あ〜〜れ〜〜? あ〜た〜ら〜ね〜え〜ぞぉ〜?」
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