過去ログ - 【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】
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422: ◆aGwfZTc7eA[saga sage]
2014/08/31(日) 00:37:24.79 ID:SaO/9avR0
空いている左手で頭部をボリボリと掻く巨大な怪物、何処か幼さを感じさせる怪物だが、守屋は決して気を抜けない。
逃げやすい様に×状に担いだ二つのクーラーボックスを下し、あの破壊力のある"光玉"を警戒しつつ、先峰と共に後ずさる。
何時でも先峰を庇える様に。 チラリと先峰に視線をやれば……眼が合い、頷かれた。 背中からくすぐったさを感じる。
指で文字を書かれている……ひらがなだ【し・ん・じ・て・る】と、間違いが無ければ、こう書かれた。

「ははっ」
「えへへっ」

思わず、笑い合う――そして、守屋は改めて決意する。 "何としてでも無事に守りきり、お互いに生きて帰る事を"。
守屋は怪物に視線を向ける、鈍重そうな外見から考えれば動きは鈍い、バカ長い棍棒も怪物の射程距離に入らなければ、
ある程度は問題ない、問題は……棍棒を投擲される事、そして、また投げれられた"光玉"ッ!!
――先峰の手を取り、横へ走る事で避けられた。 が、やはり威力が凄まじい、着弾点と思われる地面が浅くはあるが、
抉れている。 人間二人の生命活動を容易く止める威力がある。 守屋は即決断した。

「走りますっ! 行けますかっ!?」
「頑張りまぁぁぁすっ!!」
「に〜〜げ〜〜る〜〜な〜〜」

"逃げなきゃ死ぬだろっ!?" と、突っ込む間も無く、二人は怪物から一目散に逃げ出した。
狙いをつけづらくする為、ルートは一直線でなく、適度に障害物を利用する。
どういう原理かは守屋には解らないが、左の手で作り出し放り投げて来る"光玉"作り出す速度は速いが、
投げ手のコントロールが"非常に良い"為、どうにか避けきれている。 加えて、足が遅い。
このままのペースで行けば、逃げ切る事が出来る、だが"生物は永遠に走り続ける事は出来ない"。

「はぁ、はぁ、はぁ――っ」
「ひぁ、はぁ、ぃ、はぁ――っ」

体力に自信のある守屋ですら、少し走るのがキツくなっているのだ、手を引きながら逃げているとは言え、
先峰の疲労の色が濃い、守屋は考える、急いで早く、考えを導き出さなければならないっ。
――守屋が打開策を導く前に、状況が動く。 光玉が守屋達が通過した後を爆発するとほぼ同時、
高低差がある坂に気づけず、二人は、光玉の爆風に後押しされる形で、"投げ出された"。

「うわああっ!?」
「きゃあっ!?」

ほんの一瞬とは言え、空を飛ぶ――なんて、楽観的考えではいられない、守屋は即座に先峰を抱き寄せ直に訪れる衝撃に備える。

「ぐっ!!」

肩から落下し、そのまま、坂を転げ落ちる二人。 勢いが止まった時、二人は急いで呼吸を整える。
先に起き上がったのは比較的負担の少なかった先峰だ。

「も、守屋さん……大丈夫っ?」
「ふぅ……だ、大丈夫ですっ、それより、急ぎましょうっ!!」
「分かったわ、逃げ切った訳じゃないですもんねっ! もう一息頑張ろうっ!」

意思の同意も早く、二人はまた駆け出した。 幸いにも怪物との距離の差はあまり縮まらなかった様で、
二人がそれぞれ別のタイミングで、後ろへ振り返り、坂の上を見上げてもあの巨大な姿は見えず、
驚異的な破壊力を持つ光玉も投げてこない。 脅威が去りつつある事に"先峰は内心、安堵した"。

「(お、おかしい……何故投げるのを止めた? 僕達の事を諦めたのか? そうは見えなかったけど――
なら、なんだ? 動きは鈍そうだった、投げる物があるにしても距離が離れている、道中に幾つもの障害物がある。
諦めていないとして、もし、何らかの方法で仲間を呼ぶ方法があるとしたら――考えすぎ、か?)」


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