過去ログ - 【安価&コンマ】新たな魔法使いが生まれた【仮面ライダーウィザード】
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434: ◆aGwfZTc7eA[saga sage]
2014/09/30(火) 21:36:35.37 ID:yLK1B3Aq0
守屋修二と先峰灯は全力で走る。 またも始まったやりたくも無い"鬼ごっこ"の為に二人は走る。
二人を追うは複数の鬼、一つは十には届かず八以上の数で、槍などの得物を構え同じ姿をした灰色の怪人、彼等は二人を囲む様に駆けている。
個々の意思が感じられない纏まった動きは、余裕すら感じさせられる。 二人の身心の限界を待つかの様なそんな余裕を。

「はっ、はっ、はっ――」
「はぁっ、はぁ――」

其々の思い方には違いがあるが二人は理解していた。
灰色の怪人達が"わざと"仕掛けてこないのだと、自分達が弱り切るのを待っているのだと、現に、左右後と壁を作っておきながら、
"前"を開けている、二人を走らせる為に。 この命を賭けざる負えない鬼ごっこにおいて悔しい事に、"現状"二人は"獲物"なのだ。
――守屋はふと、考える。 先峰を逃がす為に自分が殿となるべきなのでは? と、しかしその考えも直ぐに吹っ飛んだ。
轟音と共に周囲に光玉をまき散らすねう一つの"鬼" 先程と違い、人間で言えば肥え切った肉体の面影など何処にもない。
締まり切った鋼鉄の肉体、大岩の如き太さを持った両手両足、守屋自身を比較として約1m半程の違い、3m超の巨人。

「(や、やばい――っ)」
「ッ!?、守――」

先峰が何かを言う前に、守屋は先峰の手を取った。 少しでも、少しでも速く走る為に。 
パニックに陥りそうな思考、冷静でなければならないと自制し、懸命に走る。 
――だが、この行為は意味をなさない……二人の体力は既に限界に近い、故に、どれ程懸命に走ろうとも、
ゴブリンとグール達を振り切る程では無い、そして"ゴブリン"に取って、二人はもう"射程範囲"に入っているのだ。

「ソォォレ〜〜っ!!」

肥え切った肉体の時に比べ、凄まじい速さで二人に迫るゴブリンが光玉を投げた。 
投げられた光玉は勢い良く直線状に回転し、守屋修二と先峰灯からは少し離れた前方の地面へと着弾する。 
その結果、勢いのついていた二人の体は突然の急ブレーキに止まれ切れず、見っともなく転げまわる。

「う、あ……はぁ、ぐ、ぅぅっ!!」
「はぁ、はぁ、守屋――さん」

カラステングに斬られた左腕が痛む守屋を案じ、先峰は這い蹲りながらも急いで守屋に寄る。
直後――二人の間近から大きな音が響き渡る。 守屋も先峰も、音のした方向へ視線をやれば、
"ニンマリ"としたゴブリンが二人に棍棒を突き付けている、一間遅れて、グール達が二人を囲んだ。

「オマエタチ〜〜オワリ〜〜」
「――くそおぉぉっ!!」

ゴブリンが口を噤み、棍棒を振り上げる。 どうにもできない、悔しさが守屋の口から飛び出た。

「シンニュウシャ〜〜オレ〜〜コロス〜〜」
「――諦めない、私達はッ」
「オ〜〜ワ〜〜リ〜〜」

振り上げられた棍棒が振り下――突如、ゴブリンの眼前に男が現れた。 男は右足を振り上げている。
蹴りだと、ゴブリンは理解した。 だが、自身はもう棍棒を振り下す直前、回避行動など"とれない"。

「はぁっ!!」


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