14:B[sage]
2014/07/29(火) 07:32:03.74 ID:93BVcdXq0
嫌い。いや、その表現は的確ではないかもしれない。お姉ちゃんが存在している以上私は存在が許されない。全部お姉ちゃんが悪い。私は悪くな
い。今回だって勝手にお姉ちゃんが来たわけだ。それで勝手に巻き込まれている。私の知るところではない。そうだ。私には関係ない。
私はゆっくりと起き上がった。ならべく音をたてないように、気配を[ピーーー]ように。こういったことは得意だ。いつもやっているから。 お姉ちゃんをなぶっている猿どもはいじめに夢中で私に気が付いていない。扉にそっと近寄り・・・
「ガタッ!」
一斉に私に目が向けられる。なんだ?何が起きた?足元を見ると私の携帯が落ちていた。お姉ちゃんに言われいやいや撮ったプリクラの中の彼女が私をあざ笑っている。
「おいおい、バック〜。それは屑すぎるんじゃないのぉ?おねえたまはあんたを助けに来たんだよぉ?」
腰巾着が喚きだす。なるほど、自分が屑なだけあって人のそういう行為には敏感というわけだ。見下げ果てた根性である。ゴリラがこっちにくる。走って逃げるか?いや、追いつかれたら・・・ごちゃごちゃ考えている間に私はつかまりお姉ちゃんの前に跪かされた。随分とぐったりしたお姉ちゃんをレズ女が揺さぶる。
「ねぇ、かいちょー。この卑怯者にウチら罰を与えようと思うんだけどどう?かいちょーが決めて」
「あ、あやちゃんには手を・・・ださないで・・・わたしが・・・」
変態の言葉を遮りお姉ちゃんは弱弱しい声で殊勝な言葉を述べた。爆笑が起きる。それはそうだ。この状況下でこの姉妹の違いだ、第三者視点から見れば愉快極まりない。
「だそうだからさ、あ〜や〜ちゃん。」
変態が私の顎に手を当てる。気色悪いことこの上ない。
「貴女が選んでいいよ。罰を受けるかそれとも・・・」
「一緒にかいちょーをいじめるか。」
こいつは本物の屑だ。最低の変態。私にだって・・・私にだって・・・でもここでもし罰を選べばそれはこいつの意向に背くことになるだろう。そしたらさっきよりもっとひどい目に合うかも知らない・・・怖い。
お姉ちゃんの方をちらりと見ると諦めた顔で私を見ている。なんだ、その顔は。その目は。目が合う。口が小さく動いた。
「い・い・よ」
ああそうかよ。それでいいんだな。最初からお姉ちゃんは私になんて何の期待もしてない。私を守るとか自分の自尊心を満たす道具に過ぎないんだ。ならいいよ。お望みどうりにしてやる!
「お姉ちゃんをくすぐらせて!私弱点も知ってるし効果的ないじめ方もわかるよ!だからおねがい。」
ゆっくりとお姉ちゃんは目を閉じた。止まらない嘲笑の中私は自分の中の何かが死ぬのを感じていた。
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