39: ◆5tAuYEuj7w[saga]
2014/07/19(土) 20:04:41.48 ID:JbPpGSYk0
音のなった方向へ顔を向けると、やけに毛並みの良い猫がいた。
遠目で見ても、厚手でふわふわとした毛、特に先細りの尾は長い被毛に覆われている。その白と茶色の体毛は非常に柔らかそうだった。
雪ノ下がいたらこの猫の品種を聞かなくても勝手に教えてくれそうだ。
「いやいや、なんで猫がいるんだよ」
少々脱力したことは否めなかった。
そしてよくよく観察してみると、カーソルの色からどうやらモンスターの中でもテイミング可能な種類らしい。
なんだろう、この世界でペットの疑似体験をするためにだろうか。
それくらいのソフトは既にあるはずだが。
テイムしようかという考えが一瞬頭によぎったが、この場にモンスターがいない元凶かもしれないのだ。
「テイミングするには確か一定量のHPを減らす必要性だったっけ」
そんな奴相手にビギナーである俺が勝てるはずがない。
幸いこちらには気づいていないようだ。
ダガー片手にこそこそと後ずさっていくと、不意に緑色の瞳と目が合った。その瞬間、白いエフェクトが見えた気がする。
そして俺はこの世界で初めての死を味わった。
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