96: ◆2DegdJBwqI[saga]
2014/08/22(金) 14:50:02.71 ID:f9f35fI7o
〜☆
「ほむらちゃん、ほむらちゃん」
声が聞こえる。視界は黒い。無様に失神していたらしい。
目を開けると、私の顔のすぐ上で、魔法少女姿の鹿目まどかが、とても辛く苦しそうな顔をしてこっちを見下ろしていた。
「私は、あなたの知ってる暁美ほむらじゃないわよ……?」
口から出たのは自分が思っていた以上にか細い声。
下半身の感覚がない。多分、感覚がないどころか、肉体そのものがそこにはないのだろう。
「それでも、それでも、こんなのってないよ……っ!」
怒りとも嘆きとも判別しがたい声を絞り出す鹿目まどか。彼女は泣いていた。
なんとなく勝手に想像していたままの人柄のようで、それがなんだかおかしくて、少し私は笑った。
鹿目まどか。彼女は突如笑った私を見つめて、不思議そうな顔をした。
「ねえ、鹿目さん。今あなたがするべきことは、こんなところで道草を食うことじゃないはずよ」
「でも……でも……っ」
「あなたが速く行かないと、私と同じ目に遭うどころか消滅してしまう暁美ほむらが増えるばかり。
行かなくちゃ。追いかけなくちゃ。今、何かしたいって思うのなら」
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