52:ふもふも ◆Bn1tZJHOB6[saga]
2014/07/28(月) 21:19:24.17 ID:EKCQ1OuPO
「実は上手くいってないんです」
「家族と?」
「正確には父と、ですね」
53:ふもふも ◆Bn1tZJHOB6[saga]
2014/07/28(月) 21:20:26.21 ID:EKCQ1OuPO
そしていつの日かほとんど会話もしなくなり、父が家に帰る事自体が少なくなった。あんじゅが父を訪ねて話をしても、返事は素っ気ないものになっていた。
「ある日、私はお友達と一緒に行ったライブを見て、アイドルを目指そうと思いました。歌は小さい頃から好きでしたし、母の薦めで音楽の勉強もしていました。それに何より父にもう一度聞いて欲しかった」
「それをお父さんに話したの?」
54:ふもふも ◆Bn1tZJHOB6[saga]
2014/07/28(月) 21:20:58.68 ID:EKCQ1OuPO
今日はここまでです!
55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/28(月) 21:54:54.48 ID:5GZb4Gf6O
乙乙
あんじゅかわいいよあんじゅ
56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/28(月) 23:19:58.35 ID:xUimhqWio
結構好きだなこれ
57:ふもふも ◆Bn1tZJHOB6[saga]
2014/07/31(木) 07:23:59.71 ID:y2u2Ht6dO
「違う……」
無意識につばさは呟いた。
「どうしてでしょう?」
58:ふもふも ◆Bn1tZJHOB6[saga]
2014/07/31(木) 07:24:33.35 ID:y2u2Ht6dO
「でも、あなたが行くと会ってくれたのよね?」
「会議や出張でなければですが」
「忙しくて家族との時間も作れないのに、あなたが訪ねると話を聞いてくれるなんて、以外に時間余ってると思わない?」
59:ふもふも ◆Bn1tZJHOB6[saga]
2014/07/31(木) 07:32:27.06 ID:y2u2Ht6dO
「私もさ、そういう時期があって喧嘩した事があったんだけどね。父親ってさ、娘との距離感がわからないらしいのよね。どう話して良いのかわからなくて、それで適当な感じになってしまうって聞いたわ」
つばさがアイドルを目指すと決めて直ぐの頃は、つばさも父親とは沢山喧嘩した。
今から考えれば父は父なりにつばさの将来を心配していたのだろうが、夢を追うつばさに負けたのか、ある日ゆっくりと話をしてくれた事があった。
普段はあまり多くを語らない父が、口下手ながらに色々な事を話してくれたことは今でも忘れていない。
60:ふもふも ◆Bn1tZJHOB6[saga]
2014/07/31(木) 07:33:03.63 ID:y2u2Ht6dO
きっとあんじゅの父もどう応援すればいいのか、分からないのだろう。
なれるか分からないアイドルよりもとも考えて、かといって娘の夢を摘み取る事もできず。だがそれでも、娘が会いたいと言えば断る事が出来なかったのだろうと、つばさは言った。
「直ぐには難しいかも知れないけど、一度ゆっくり話してみるのも良いかもしれないと思うわ」
61:ふもふも ◆Bn1tZJHOB6[saga]
2014/07/31(木) 07:34:13.97 ID:y2u2Ht6dO
「いえ、本当にありがとうございます。つばささんに話して良かったです。少しだけ、父の気持ちが理解できたように思えました」
「そう言って貰えると私も嬉しいな。これからもさ、どんな事でも話してくれれば私なりに力になるからね」
「ありがとうございます」
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