過去ログ - ひぐらしのなく頃に  恋難し編
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177: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2014/08/28(木) 15:17:55.05 ID:IQ7B33obo
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その日は一日、冷や冷やされっぱなしだった。

詩音は悟史のことを呼び捨てに出来ない性分で、悟史の名前を呼ぼうとする度に声は震えているし、悟史は悟史であたしと詩音の姿を見ては微妙な表情をするし。

あげくの果てに、圭ちゃんは圭ちゃんで事ある毎に詩音と二人で話をしてるし。

いや、まぁ、それも目的のひとつではあるんだけどね?

でも、昨日のあの一件があった後で、圭ちゃんと『魅音』がそんな内密に話をしてるなんて、なんか、それ、もう、あれじゃん!!ダメじゃん!!

何がどうダメなのかは具体的には言えないけどさ!!なんか、周囲の目から見たら既成事実出来ちゃってるみたいじゃん!!

あたしだって女の子だよ?その、自分の好きな人が、自分の双子の姉妹とは言え、自分じゃない子とそんな親密に話してるところをしょっちゅう見ちゃってたら、ヤキモチ妬いちゃうよ!?

ああ、でも、圭ちゃんはあたしと詩音が入れ替わってるってことは知らないはずだし、そういう意味合いでは間違ってないのかな?なんて考えだすと、頭がこんがらがって来る。

そんでもってあたしは今現在『詩音』なのだ。だから、その通りに振舞わなければいけないわけで。

沙都子には悟史との中を色々冷やかされるし、悟史は悟史でそう冷やかされるとまた微妙な表情をするし。

あたしに至っては悟史が口を滑らさないように細線の注意を払わなきゃならないから悟史と二人で話さなきゃならないことにまでなるし!

悟史と二人で話しているところを詩音に目撃されるたびにその視線はあたしにチクチクと刺さって来るし!!

………まあ、そんなこんなで色々あったけど、どうにかこうにか放課後がやって来た。やって来てくれた。

長かった一日が、ようやく終わるのだ。なんか、当初の目的ってなんだっけって気がしてくるが、そんなのはもう些細なことだと思えるようになっていた。


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