過去ログ - 絵里「やっぱり、私って面倒な子ね」
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44: ◆eyH5F3DPSk
2014/07/23(水) 23:55:49.24 ID:RhpPp4pb0
「そうね、奇遇だわ。一緒に行きましょうか」
「はい」
私はこうしてクールに返す。
これがきっとハリボテの私の最高の返事。
本当は待っていてくれたのだろう。
気を遣わせないために、わざわざメールも寄越さずに。
嬉しかった。
でもそれを喜んで、手をとって海未に感謝することは望まれた答えだろうか。
私は海未へ感謝を示す方法が、演じ続けることしか残されていないと気付いた。
あなたの理想を崩したくない。
やっと手に入れた居場所は、私が居ていい場所ではないのだ、と。
好きだから嫌われたくない。
ええ、あなたが大好きよ。
私の愛は歪み始めていた。
理想のハリボテに自分を投影し、海未からの好意を受け取る。
本質的な愛というものを、私はわからなくなり始めていたのかもしれない。
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