過去ログ - 上条・士道「「とある緋弾のソードアート・ライブ」」キリト・キンジ「「その1」」
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925: ◆3LA52.EM5g[saga]
2015/08/22(土) 23:31:26.86 ID:2tBR21tC0

 学園都市の第七学区南東、第一八学区との境界線近くに位置する場所にとある病院がある。

 毎回大怪我を負った上条がお世話になっている病院である。その頻度と言えば入退院の回数と病院を退院してから戻ってくるまでの期間の短さならば、ギネスに載っても良いのでは無いかというレベルである。ちなみに同病院の一部の医師・看護師の間では、彼が次にどのくらいの期間で戻ってくるかという掛けが行われているという噂すら存在する。

 何故彼がそんなにこの病院に戻ってくるかというとこの病院には彼の主治医とも呼べる存在がいるからだ。

 通称カエル顔の医者。

 「冥土帰し(ヘヴンズキャンセラー)」という異名を持ち、どんな病気、負傷でも最後まで患者を見捨てることがなく、学園都市の科学力だけではないあらゆる手段を用いて治療してしまう、凄腕の医師だ。現に今まで行った手術の内、上条当麻の記憶破壊を除く全てを成功させている。

 そんな彼がいる病院だからか、集まる患者の種類は多い。

 例えば、御坂美琴のクローンとして短い寿命しか持てていない「妹達」とか。

 『原典』の影響により体の三分の二を失い、以後はエツァリの手によりこの病院に入院させられたショチトルと同じくエツァリの手により『原典』から解放され入院したトチトリとか。

 あるいは食蜂操祈と警策看取という二人の友人と再会を果たし、妹達を任されている医者がいるこの病院へと健康を確認するべくたまに警策や食蜂と共に通っているドリーとか。

 そして、「冥土帰し」により保釈され、以後は彼の手伝いと共に教え子達の回復を見守る木山春生だとか。

 その病院には、本当に様々な人物が訪れていた。

 そしてこの日も、多くの者がこの病院へと訪れている。

 避難してきた者も、招かれざる客も含めて、だが。


 黄泉川愛穂は「警備員」である。子供達を守る者として、日々能力犯罪は違法実験などに立ち向かっている。

 だが勿論、そんな彼女にだって休息は存在する。何せ連日連夜のように事件は起こっているわけではないのである。その合間に休まなければ、犯罪を取り締まる前にこちらが倒れて動けなくなる。

 ──そう、いくら学園都市とはいえ、連日連夜事件が起こり続けているわけではないのだ。

黄泉川「……けどこの数ヶ月間、明らかに今まで経験した中で一番忙しいじゃんよ」

 今日なんか非番なのに、たまたまの居候の芳川桔梗が用事で病院に来ていたところで、この騒動に巻き込まれた。

 おかげで現在、最前線で「警備員」、「風紀委員」の者達と共に謎の武装集団と戦闘することになってしまったのだ。非番なのにも関わらず。

 もちろん、学生達(子供達)を守るのに昼夜も非番もクソもない。もし目の前で事件が起こっていればそれから無事に子供達を救い出すのが自分の使命だと分かっている。が、それ故に学園都市にて懲りずに騒動を起こす大人達(馬鹿ども)にうんざりする時もあるのだ。単純に疲れる。

 今回なんか特にそうだ。

 奴さんは明らかに学園都市の科学技術によって産まれた何かだった。撃たれても血も出ない。傷も付かない。付いても腕がもげるようなものでない限りすぐに回復する。更にはこちらの威嚇射撃どころか、確実に無力化する為に撃った銃撃にすら平気で突っ込んでくる。そして、一定量攻撃を受けると倒れ、消えていく。残るのはよくわからない鉱石の様なものだけ。冗談のような話だが、本当だ。

 学園都市にて長らく「警備員」をして来た黄泉川だが、このような敵は見たことも無かった。

黄泉川「……避難と応援の要請はどうなってるじゃん!?」

「病院の医師や患者達は地下シェルターに避難させています!……しかし動かすことのできない重症患者や、患者を見捨てるわけにはいかないと残っている医師も多く……」

「応援要請は先ほど出しました!学園都市中で同様の事件が多発してるらしく、まだ時間がかかるそうです…」

 病院という場所が良い意味でも悪い意味でも働いている。

 この大病院には「冥土帰し」という凄腕の医者がいる。その為彼が治療している重病・重傷患者が多く、動かすことのできない者が大勢いるのだ。更には彼を始めとして、「患者を放って逃げるわけにはいかない」という医師もおり、避難が中々進んでいない状態なのだ。医師としては立派な姿なのだろうが、はっきり言ってこちら側からすれば早く安全な場所に避難して貰いたいのが本音だ。

 この病院には地下に大規模なシェルター、停電が起きた場合に対応するための非常用発電機があるため、周辺にいた学生や大人達の多くが避難することができた。その中には黄泉川の同僚の月詠小萌や自分や彼女の教え子達もいる。

 この病院が狙われた理由は分からない。言えることはこの場所にはその際巻き込まれた人々が逃げ込める場所があるというメリットと、逃げられない人々がいるというデメリットが存在することだ。

 戦力差も絶望的だ。襲撃者の武器は剣といった学園都市では信じられない時代錯誤なものだが、まるでゾンビか何かのように向かってくるし、こちらの人員もまるで足りていない。


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