1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/22(火) 23:41:34.20 ID:0DgC4pOP0
その日は私にとって特別な日。7月22日。
私は頭が良くないからその日に何か革命だとか開国だとか起こったのかはわからない。だってアイドルっていうのは前だけを向いていかなくちゃいけないと思うから、そうでしょ?
昨日の練習後、今では鬼教官と化した我が部の後輩海未ちゃんは、明日の朝練、つまり今日の朝練は休みにすると告げた。……なんだ、朝からみんなに会えるわけじゃないんだ。ちょっとガッカリ。
今朝はいつもより家を出るのが遅かったから、ママの代わりに妹たちを幼稚園に置いていく。それ以外はいつも通りの日常で、あまり中身のわからない英語や数学の授業、ムダに走らされる体育をこなして気付けばもうお昼休み。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/22(火) 23:42:31.27 ID:0DgC4pOP0
私は席を立ち、部室に向かおうとする。いつもなら2年生の仲良し3人組がそこにいたり、真姫ちゃんが「図書室に行くついでに寄ったの」とか言ってなんだかんだでお昼休みが終わるまでそこにいたりする。絵里ちゃんや希ちゃんがいる時もいる。凛ちゃんと花陽ちゃんがいる時もいる。たまにみんないる時もある。……たまにだれもいない時もある。
だから今日はそのたまにの日だったのかな。お弁当箱を持って部室を開けるととても静かな部室。お弁当を机に広げる。食べ終わる。少しパソコンでμ'sのPVを鑑賞する。鐘が鳴る。今日は誰も来なかった。もう教室に戻らなくちゃ。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/22(火) 23:43:40.19 ID:0DgC4pOP0
つい数か月前まではひとりで活動していたアイドル研究部。でも今はその時とは違う。音ノ木坂学院アイドル研究部、μ'sのメンバー。それが今の私。ひとりでは経験できなかったこと、味わえなかったこと、それをこのμ'sが教えてくれた。だから今の私は、あの頃のハリネズミみたいにトゲトゲしたにこじゃなくて、ひとりじゃ生きていけない兎のようになっちゃったのかもしれない。でもそれでいい。ひとりより、みんなと一緒が楽しいから。
カバンを肩にかけ、部室を後にする。下駄箱で靴を履き替える。校門をでる。そこで気づく。そういえば今日μ'sの誰とも会わなかったな。いつもなら廊下やらお手洗いでバッタリするのに、珍しいこともあるものだ。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/07/22(火) 23:44:36.42 ID:0DgC4pOP0
チャイムがなる。覚醒。何時間、何十分くらい寝たんだろう。時計も見ずに玄関へ向かう。扉を開けると外は茜色に染まっていた。そこには同じくらい茜色の笑顔を見せる穂乃果ちゃんの姿があった。
迎えに来たよ!
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