44: ◆r5Gu8xXVI.[saga]
2014/07/29(火) 23:51:10.78 ID:T/LCXimq0
  
 それから私は…噛みついてもことりちゃんが声を出さず、息を吐くだけになるのを確認し、唇を離した 
  
 さっきまで私が吸いついていた場所を確認すると…歪な赤い円を形作っていた 
 歪なのは、私が歯を立てたからだろう 
  
 視線を上げ、焦点をことりちゃんの顔に合わせると… 
  
 「はぁ…はぁ…」 
  
 弱々しく息を吐き、うつろな目で…立っているのがやっとという状態だった 
  
 そんな姿を見て私は… 
  
 「ことりちゃん…」 
  
 首に手を回し、体を引き寄せ抱きしめた 
  
 その細く、柔らかい体をへし折らんばかりに強く抱きしめる 
  
 「あっ…はっ…ほのか…ちゃん」 
  
 力を込めて抱きしめたからか、ことりちゃんが再び言葉を発する 
 だけどそれはとても弱く…蚊の鳴くような声だった 
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