過去ログ - 高木「人生に乾杯を!」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/07/24(木) 16:08:18.54 ID:9uLTT2Jd0
 ひとたび営業に出れば絶賛され、テレビに出れば大きな話題になる。
 待ちに待ったレコードが売り出されれば、その売り上げは加速していくばかりだった。

 善澤が作ったらしい記事が店先に積まれ、あっと言う間に消えていく。
“みんなの歌姫おっちゃん”は、贔屓目無しに、今最も旬なアイドルだった。


「俺が名づけ親なんだぜ、俺が!」
 紙面に大きく載る音無さんの愛称を指差し、朝から高木が大声で喚く。
 せめで冷房が効くまでは、大人しくしてほしいものだが。

「えー、本当ですかー?」
「本当だって、何ならおっちゃんに聞いてみるか? ねぇー、おっちゃーん!」
 新しく入ったアイドル達は、高木の言うことを疑っている。
 普段の行いが悪いからだ。

「高木さんは、まずアクセントを語尾につけるのを止めてくださいね?」
 音無さんが、アイスコーヒーをお盆に乗せて給湯室から出てきた。
 残暑が厳しいこの季節にはありがたい。

「そんなぁ、今のはちゃんと“お”にアクセント付けてただろ」
「“今のは”じゃなくて、これからもずっと、そうしてください」
 音無さんは、すっかり高木の扱いに慣れた。


 音無さんの活躍のおかげで、我が事務所を志望する候補生が急増した。
 最近僕はスカウトに出向くことは無く、専ら音無さんのプロデューサーを務めている。
 高木は、新人のアイドル達の世話役だ。

 音無さんはと言うと、事務仕事を兼任する傍ら、本業も何とかこなせている。
 大学も忙しいだろうに、よく働く子だ。



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