過去ログ - 提督「この青い海で」
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10: ◆YkC6iYZjHk[saga]
2014/07/24(木) 23:04:09.17 ID:OgCzGaUG0


その後工廠・演習場・ドッグを見て回り寮に到着した。

寮の部屋は養成学校の寮よりも広く、空調設備もあり手入れが行き届いている。

武蔵「言い忘れたが私とお前は同室だからな。よろしく頼む。荷解きくらいは手伝おう」

そういうと武蔵は既に届いていた段ボールを開け始めた。

1時間ほどたった頃であろうか。急に何か思い出し確認するように武蔵は尋ねた。

武蔵「大和よ。まだ『洗礼』は受けていないよな。加賀のあの調子だとその暇さえないのは容易に想像がつくが・・・」

大和「『洗礼』?なんでしょうか・・・」

武蔵「いや。知らないのならいい。すぐに分かる。恐らく今日の22時までには呼び出しがかかるだろうからな」

大和は首をかしげるばかりである。

武蔵「簡単に言えばこの鎮守府に着任した意味を説明されるということだ。『洗礼』の後に提督と話すことによって書類上でも実質上でも正式に配属された扱いになるからな」

大和「武蔵がそれをできないのですか?」

武蔵「不可能だ。『洗礼』をするのは各艦種の中でも最も強く最も実戦経験が多いものがやることになっている。自分では彼女の前では手も足も出ないさ」

大和「大和型のスペックを以てしても・・・ですか?」

自分は大和型1番艦大和という誇りが彼女にもあった。それは太平洋戦争下で旧日本軍が作り上げた最高傑作である大和型それが他の艦に後れを取るはずがないというほんの僅かな慢心でもあった。

武蔵「先取りして言ってしまうのはルール違反だからな・・・軽くしか言えぬが」

武蔵は軽く咳払いをすると強い意志を持った瞳で大和を見てこう断言した。

武蔵「ここでは同艦種における艤装のスペックの差による優位など一切存在しない。一切だ」

大和は僅かに気圧された。しかし追撃するように武蔵は言い放つ。

武蔵「僅かに気圧されたな。だが本物はこの比ではないぞ。何せ相手はこの鎮守府旗艦の戦艦。つまり7英雄の鎮守府の1つのトップを占める存在。数えきれないほどの戦場と数多くの死線を戦い抜いた一騎当千の強者だ。私も着任当初は同じような僅かな驕りを持っていたがそれを跡形もなく消し飛ばすだけの威力は十二分にある」

大和「そうなのですか・・・」

武蔵「そうだ」

武蔵は更に断言する。その後思い出したように時計を見ると時間はもう19時前であった。

武蔵「もうこんな時間か。夕食を食べに行くぞ。金曜の夜はカレーが相場と決まっているしな」

大和「そうですね。鎮守府内をいろいろ見たのでお腹が空いちゃいました」

そういうと武蔵に続いて部屋を後にした。



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