過去ログ - あらいを作った奴を探すゲームがあるらしい
1- 20
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:51:30.83 ID:Cjm6AT88o
>>20
私も少し,そう思います


23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:52:00.04 ID:Cjm6AT88o

ホームを手放して,安普請のアパートに2.5人暮らし.
やがて3人暮らしとなっても,生活が軌道に乗るまでの我慢と,続けざるをえない.
歩くたびにギシギシと床板が鳴り,風が吹けば窓ガラスはガタガタと揺れる.
隣の住人が酒を飲み,大声で歌う歌は,不愉快な程に現実と乖離した甘ったるいポップスだ.
以下略



24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:52:32.09 ID:Cjm6AT88o

低空飛行の人生,自分の上を悠々と飛び越す最新型の戦闘機の群れに,ブルルンと古びたエンジン音は届かない.
しかし,いつか見せる浮上のために,このプライドと怒りだけは失わない必要があった.
腕時計の鋭い秒針が,あの頃と変わらずピタリと頂点を指した.


25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:53:02.63 ID:Cjm6AT88o

今飛べているのが奇跡だとして,この先の浮上を期待しているのは間違いかもしれない.
であっても,人はパンのみにて生くるにあらず,神の口より出ずる,一つ一つの御言葉にて生く,というやつで.


26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:53:48.78 ID:Cjm6AT88o
この場合,俺を救う神は,どこのどいつで,この責任のツケをどう払うのか.


27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:54:25.48 ID:Cjm6AT88o

そんな精神が,妻の感情を大きく揺さぶったのは必然だった.
まぁ,その,悪い方にだけど.


28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:55:09.48 ID:Cjm6AT88o

突然仕事を辞めて帰宅した夫に説明を求めるのは,妻の義務と言ってもいい.
しかし夫の口から出てくるのは,パンク・ロックのような言葉ばかり.

信じられない,と妻は思った.
以下略



29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:55:56.85 ID:Cjm6AT88o

隣の部屋にはようやく寝付いた赤ん坊がいる.
彼女は,眠る我が子を起こさないように気を使いながら,夫を詰問するという見事な器用さを発揮した.

夫は目をぱちくりとさせている.
以下略



30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:56:48.39 ID:Cjm6AT88o

妻は感情的に夫を罵りながら,冷えていく頭の中を感じ取った.
以前,彼が職を失った時.
確かに先の暮らしに不安こそ覚えた.
けれども,理不尽な目にあったこの男を,更に責め立てるのが自分の役目ではないと,はっきり分かっていた.
以下略



31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:57:20.20 ID:Cjm6AT88o
しかし,もし,今回の彼の決断が,私ならば許してくれるという,甘い考えに則っているのだとしたら.


32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/27(日) 11:57:58.08 ID:Cjm6AT88o

妻は自分を嫌な女だと思った.
パンク・ロックの精神を鼻で笑う,冷たい男が嫌いだ.
かと言って,パンク・ロック・スターの代行者の様に,熱い男も嫌いだと知った.
俺は信じていると熱く叫びながら,その実,様々な圧力に心を折られ続けて,いつか,いつかと嘆く男こそが,好きなのだ.
以下略



40Res/11.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice