2: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:01:59.83 ID:FrS4OQDwo
天井からつり下がったテレビは、今日のスポーツを中継していて、その内容にみんな一喜一憂。
私は空いている事を願いつつ、混雑したお店の中を歩いて席を探します。
店内をぐるりと回って、どうやら椅子は空いてないようなので、カウンターにするしかないかなと思っていると、隣から腕を突かれました。
3: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:02:38.35 ID:FrS4OQDwo
「あずささん、こんな所で会うなんて偶然ですね」
「音無さん!えっと、音無さんは、ここで一杯ですか?」
「いえ……、実は、晩ご飯を食べに来たんです」
4: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:03:10.60 ID:FrS4OQDwo
「晩ご飯ですか〜」
「はい、ここのフィッシュアンドチップスがとても好きで、良く来てるんですけど……」
「けど?」
5: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:03:36.79 ID:FrS4OQDwo
「なるほど、お酒を飲むとどうしてもおつまみ系に走っちゃいますからね〜」
「そうなんですよ……、ソーセージとか、フライドチキンとか……」
他愛もない会話で盛り上がっていると、音無さんが頼んだ食べ物が運ばれてきました。
6: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:04:03.07 ID:FrS4OQDwo
「ええ、あっ、あずささんは何か頼まれましたか?」
「いえ、まだなんです」
「じゃあ、席取っときますから行ってきてください」
7: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:04:29.95 ID:FrS4OQDwo
席を立って、カウンターで料理を注文しに行きます。
今日は、折角だから一緒に食べられるように、フィッシュアンドチップスと野菜スティックを頼む事にしました。
番号札を受け取って、席へと戻ると、音無さんは美味しそうにカレーを食べていました。
8: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:04:58.23 ID:FrS4OQDwo
「んっ!!……、ぷはっ、あずささん、ビックリさせないでください!」
「あら、ごめんなさい」
少しだけ赤くなった音無さんは、恨めしそうな顔でこちらを見てきました。
9: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:05:30.74 ID:FrS4OQDwo
少しだけ変な空気が漂った所で、私の注文した食べ物が届きました。
「あずささん、フィッシュアンドチップスにしたんですね」
「はい、実は食べた事無いんですよね〜」
10: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:07:20.85 ID:FrS4OQDwo
「ここに来る時はいつもピザとかばっかりだったので……」
「それじゃあ、まずは何もつけないで一口どうぞ」
音無さんに言われるがまま一口サイズの物をぱくりと食べてみます。
11: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:08:05.40 ID:FrS4OQDwo
モグモグと食べると、魚のお肉の柔らかさと衣のジューシーさがそれぞれ主張を繰り広げてきます。
ですが、それが喧嘩することなく、見事に調和したこのおいしさは、やみつきになりますね。
「おいしい〜!」
12: ◆RY6L0rQza2[saga]
2014/07/28(月) 01:08:45.58 ID:FrS4OQDwo
言われたとおりに付けてみて、もう一口食べると、今度はタルタルソースの濃厚な味わいが二つの主張を引き立ててくれます。
二つの顔を持っているなんて、凄いわね〜。
と、思っていたら、おもむろに音無さんが一緒に運ばれてきた瓶の蓋をあけて、中身を少しだけ垂らしました。
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