3: ◆R3w6VC0mCvpW[saga]
2014/07/28(月) 20:14:19.42 ID:/A4b8bPJ0
 「……はぁ〜」 
  
 スクールアイドル雑誌に載っている子達は綺麗な笑顔を浮かべている。夢を信じて、夢に向かって輝いてる。 
  
 この中で何人が本物のアイドルになれるのか……。少なくとも優勝したグループは本物になることが多い。 
  
 お金やコネのある子はスクールアイドルという段階を踏まずに、養成所や子役という段階を経てアイドルデビューする。 
  
 うちにそんなコネはないし、お金だってない。だからUTXではなくて授業料もタダの音ノ木坂に入学したんだ。 
  
 だからこそ、私がアイドルを目指せるチャンスは一度っきりしかない。 
  
 スクールアイドルを結成してラブライブで結果を……ううん、優勝という栄光を得ること。 
  
 逆に言えば、ラブライブに出場すら出来なければ私はもうアイドルになる夢を諦めるしかない。 
  
 つまり、今一人になったからといって諦めるのは夢を諦めることと一緒。 
  
 私がアイドルに憧れるようになったアイドルの人がよく言っていた。 
  
 『夢なき夢は夢じゃない』 
  
 その人はもう何年も前に引退してしまったけど、今でもよく引退ライブのDVDを観ている。 
  
 引退ライブのその時までずっと笑顔を見せ続け、見ている人を笑顔にさせてきた。 
  
 あんな素敵なアイドルになりたい。だから、絶対に諦めない。 
  
 にこ「夢なき夢は夢じゃない」 
  
 この言葉が私の心の支え。 
  
 でも、今日だけは……。 
  
 これからの事ではなく、今日までの二ヶ月を思い出していたい。 
  
 最後になるだろう、Lucky Girlsがギリギリ20位で予選を突破して、決勝まで進んで歌うその姿。 
  
 それは終わってしまった未来。 
  
 アイドルが涙を流していいのは引退ライブだけだけど、今の私はスクールアイドルですらない。 
  
 だから、だから…………今日だけは、 
  
 にこ「うっ、うぅ……ひっぐ、うぅっ」 
  
 今日だけは……。 
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