321: ◆nv1kPr3aqINd[saga]
2014/09/15(月) 21:03:12.32 ID:rWHPqgck0
不意に温もりを感じた。視界に映っていた花陽ちゃんの不安そうな横顔が消えて、今ではその向こうの扉を捉えている。でも視界半分くらいは、花陽ちゃんの頭が映って、肩に回された腕は想像以上に強く先ほどまで弱々しかった花陽ちゃんとはまるで別人のようだ。しかしそれとは対照的に肩は震えていた。
何故私は抱きしめられているんだろう。花陽ちゃんの荒い吐息が首筋にかかってむずむずする。
どれくらい私は花陽ちゃんに抱きしめられていたかな。私は急に起きた事象に対する術を持ち合わせていなくて、ただただ硬直しているだけだった。私が何も出来ないまましばらくそうしていると花陽ちゃんの肩の震えは収まって、抱きしめられる強さも弱くなった。
花陽「ことりちゃん、私はあなたのことが」
何かを秘めた、掠れた声が鼓膜を刺激する。重要なことを言うつもり、なのだろうか。ふっと深呼吸をする音が聞こえて、私も身構える。
花陽「――好きです」
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