過去ログ - 伊織「もう…いないのよ」
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11: ◆aC0nKsFZuuYT[saga]
2014/07/29(火) 20:06:43.48 ID:fTmjfMZhO
ハリウッドに律子の知り合いはいたか。そんなことを聞いたことはない。…いや、聞いたことがなくても知っているはずだ。

「まさか…。いや、そんな…。」

あるわけがない。5年も音信不通だった人間が、いまさらひょっこりと帰ってくるのか。だが、一番しっくりくる回答だった。

「……あっ。」

飛行機が、到着した。

「…あの人…ね。」

伊織の視線の先には、スーツを着た若い男が歩いていた。少し見ただけで、確かに誰かわかった。伊織の口元が、少し緩んだ。 

「ねぇ、そこのアンタ。」

「彼」は、声のする方向に振り向いた。伊織の目は微かに泳いでおり、やや鼻声ぎみだった。自然と、伊織の口から言葉が溢れた。


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