過去ログ - 【オリジナル】少女「ドラゴンの王子様？」【長編】 -SS速報VIP

過去ログ - 【オリジナル】少女「ドラゴンの王子様？」【長編】

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67:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/31(木) 00:18:41.64 ID:P/DzELRS0
そのような、何の保護もない事実が、ナキに対する過酷な仕打ちの裏づけになっていた。

彼女がポンチョではなく、ボロのワンピースに裸足であることに、おじさん達は、まるで気づかないように無視を決め込んでいた。

夕食の時、本当に倒れそうになり、誤ってリフの服にスープを少しこぼしてしまった。

以下略

68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/31(木) 00:19:42.07 ID:P/DzELRS0
少しすると、かなりどろどろに穴が空いていたが、何とか自分で繕って直した靴下が見つかった。

ないよりはましだと思って足に履く。少しだけ気が楽になったような気がした。

（お薬持っていかなくちゃ……）

以下略

69:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/31(木) 00:20:41.32 ID:P/DzELRS0
代わりに、捨てられていたのを拾って、洗った、薄汚れた包帯が少し見つかったので、特に痛みが酷い右手の指に巻きつける。

そして、少し考えてから、彼女は決心して毛布を体に巻きつけた。

ポンチョはラッシュにあげてしまったので、防寒できるものはそれくらいしか持っていない。

以下略

70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/31(木) 00:21:32.28 ID:P/DzELRS0
確か、薬湯を煮込んだ傷薬は、小さな瓶に小分けにされていたはずだ。

他ならぬナキが、自分の手で作ったものだった。

案の定、綺麗に整頓されて置いてある。

以下略

71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/31(木) 00:22:35.09 ID:P/DzELRS0
夜の森を歩くのは初めてで、思ったよりもずっと時間がかかった。

想像していたよりもはるかに、寒さが体に染みこんでくる。

小さく、なるべく寒気を吸い込まないように息をしながら、何とか泉にたどり着く。

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72:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/31(木) 00:23:24.50 ID:P/DzELRS0
あれほどの巨体だ。近くにいればすぐ気がつくはずだ。

良くなって、飛んで行ったのだろうか。

それはいいことなのだが、そう考えるとナキの心には少しだけ、チクリとした痛みが走った。

以下略

73:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/31(木) 00:24:10.85 ID:P/DzELRS0
岸に下りてみる。

地面が少しだけ抉れていたが、そこにも薄く氷が張っていた。

鼻をすすって、肩を抱く。

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74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/31(木) 00:25:24.55 ID:P/DzELRS0
もう一度湖を見回してみる。

不意に、心細さから無事な方の目から小さく涙が出た。

それをごしごしと手で擦り、毛布を手繰り寄せて、背中を向ける。

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75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/31(木) 00:26:11.43 ID:P/DzELRS0
本能的にそれらに恐怖を感じて後ずさる。

しかし背後は、冷たい、薄く氷が張った湖だった。

カンテラを掲げると、薄暗い明かりに照らされ、茶褐色の毛皮をした四足の動物が、うなりながら木の陰から頭を出した。

以下略

76:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)
2014/07/31(木) 00:27:04.89 ID:P/DzELRS0
森に生息している森オオカミの群れだった。

普段は死肉を貪る臆病な動物だが、獲物が小さく弱いと、徒党を組んで襲うことがある。

それに今は真冬だった。食料も少なく、気が立っているようだった。

以下略

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