過去ログ - 【安価】オリキャラでシークレットゲーム【キャラ決め】
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875:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/10/14(火) 17:40:08.49 ID:p/xdIcOW0
あれだけ耳についた蝉の声も、心なしか落ち着いたように思える。しかし、まだ汗で濡れた服が肌にまとわりつくほど暑い日もある。今は、まだ午前中だからそれほど暑くは無いが、眩しい陽の光をみると午後から暑くなるだろうな、とふと思った。
長谷部亜矢(神奈川県桜丘市立石本中学3年1組女子10番) の、少し長めの髪が街路樹の枝と一緒に静かに風になびいた。
朝、友人の三島環(女子13番) を誘いに行ったところ、亜矢を迎えたのは環ではなく環の母だった。
「あらやだ、今日登校日だったかしら。ごめんなさいね、あの子ったらまだ寝てるのよ。昨日、遅くまで起きてたみたいで。悪いけど、先に行ってくれるかしら」
環の家から離れると、母親が環を起こす声が小さく聞こえた。
まったく、環ったら、妙なところで抜けてるんだから。でも、こんな8月も終わりかけている頃に、登校日なんてなんだか変だな。
前日に突然連絡網がまわってきた。8月も下旬を迎えて、多くの生徒が宿題に追われている時期だと言うのに、わざわざ呼び出すなんて、と亜矢は首を傾げた。しかし、夏の午前の涼しい風が頬にあたると、そんなことを気にするのがばからしく思えた。

教室の扉を開くと、多くの生徒が既にその場にいた。
「あ、長谷部さん。おはよ」
誰かの声がきこえ、首を捻ると女の子の集団が目に入った。亜矢はすぐにその集団に手を振った。 一番ドアに近いところに座っていた土田千晶(女子7番)が、亜矢に手を振った。 それに続いて、笠木双葉(女子2番)、遊佐瑛子(女子15番)、渡部智代(女子16番) も手を振った。さすが運動部の人は(瑛子はマネージャーだけれど)朝に強いのだな、と改めて感じた。
「うん、久しぶりだね。また少し、背が伸びたんじゃない?」
「やだな。バスケしてたら、背って伸びちゃうのかな」
千晶が丸くて大きな目を、少し下向かせた。クラスで最も可愛い子をあげろ、と言われれば、きっと千晶が選ばれるだろう。背はほどほどに高く、細身で色白。顔も端正で、それに加えて明るくて誰にでも優しい。まったくもって、非の打ち所が無い。千晶に思いを寄せる生徒も、どうやら少なくないようである。
「今日は三島と一緒じゃないのか?」
ショートカットと浅黒い肌が印象的な飯塚玲子(女子1番) が、いつもの低い声で問うた。
「ん、寝坊したみたいだから先に来たの」
「そうか。珍しいこともあるもんだな。ところでさ、修正ペン持ってないか?」
亜矢は左手にかけていた紺色のスクールバッグの中から、青い筆箱を取り出して中を見たけれど、生憎玲子の求めるものは入っていなかった。
「ごめん。無い」
「そっか。弱ったな」
頭を掻く玲子の横に、手が伸びた。は、と顔をあげると藤阪智則(男子13番) がいた。


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