11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/02(土) 18:04:26.53 ID:SluoaBc3o
秘密基地を見つけてからしばらく経ったある日。
彼が代わり映えもなくベンチの上で本を読んでいると、
急に誰かの足音が近付いてきた。
それまでこの場所を人が通りがかることなんて一度もなかったから
これだけでもう彼は飛び上がらんばかりに驚いた。
急いでどこかに身を隠そうかとも考えたけれどそんな場所はどこにもなく、
彼はじっと動きを止めて、この通行人をやり過ごすことにした。
早く足音が通り過ぎるようにと彼は願った。
ところが、足音の主がまっすぐ彼の方へと向かってきて、
「隣よろしいですか?」と尋ねるより早く彼の左に腰掛けたりなんてするものだから、
彼の鉄でできているはずの心臓は、一瞬完全に動きを止めた。
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