過去ログ - 淡「咲は私の言うとおりにしてればいいんだから!」
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[saga]
2014/08/02(土) 21:04:03.01 ID:ZArZlM+L0
淡「言っとくけど、別にあのカップル達になんて興味ないから」
誠子「じゃあ何で見てたんだ?」
淡「見てないよ。ちょっとぼんやりしてただけ」
そんな中、尭深が恋人達の方を見て「あ」と声を上げた。
尭深「ひょっとして淡ちゃん、あの子達のことが羨ましいんじゃない?」
淡「はあ?」
尭深「だって、淡ちゃんの付き合い方っていつも長く持たないじゃない」
尭深「あんなほのぼの幸せそうなやり取り、したこと無いでしょ?」
意地悪く尭深は笑う。
淡「ふん。庶民の幸せなんて、私の足元にも及ばないし」
そのまま二人の前を通り過ぎ、淡は歩き出す。
本当はわかっている。
尭深に指摘された通り、先程の名前も知らない恋人達を見ていた。
お互いがお互いを見つめて、蕩けそうな顔して笑っている。
幸せだと纏ってる空気でわかる。
庶民の恋愛だとバカにしても、何故か虚しい。
そう、淡はあの二人が羨ましかった。
自分にもあんな風に目と目を見ただけで幸せだと思えるような相手が欲しい。
いつも手にするのは淡の上辺しか見ようとしない人ばかり。
運命の相手なんか信じていないけれど、巡り合えたらどんなに幸せだろう。
尭深達が知ったらきっとからかわれるに違いない。
だから誰にも言わない。心の中の一番奥に仕舞ってある秘密。
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