過去ログ - とある幻想の一撃男(とある×ワンパンマン)
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/03(日) 05:14:42.40 ID:g4FKKuxko
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「ソーメンありがとう。美味しかったんだよ!」
「そりゃどうも。あの店員も大喜びするだろうな」
 近場の公園にあるベンチに腰を掛け、まるで飲み物を飲むような勢いでソーメンをかきこんだインデックスは、上条の持っているソーメンに視線を向けながら感謝を示した。
 ぎゅるるる、と腹から虫の声が鳴いていなければ、きっと正しく感謝の気持ちを伝えられたはずである。
 まだまだ空腹は収まらない。そんな様子のインデックスに上条は食べかけのソーメンを差し出した。
「あー……俺の分も食べるか?」
「……ううん。もう時間だから、行かなくちゃ」
 しかし、インデックスはその手を拒んだ。
 この心優しい少年を、魔術師の世界に引き摺り込むわけには行かない。それがインデックスの本心だった。
 今までだって一人で逃げてきたのだ。今更助けなどいらない。相反する想いを抱え、それをひた隠しにして、表情を見られないように踵を返した。

「なあ」
「……何かな?」
 だが、そんなインデックスを上条は引き止める。まるで、彼女の本心を正しく見通したかのように。
「お前、そんな辛そうな顔すんならよ、素直に助け求めろよ」
 その言葉が嬉しかった。だからこそ、頭がカッとなった。
 せっかく光の道を歩んでいるのに、わざわざこちら側に来る事はない。それを教える為の一言を、インデックスは咄嗟に言い放つ。

「それじゃあとーまは、地獄の底まで着いて来てくれる?」

 魔術の事や十万三千冊に完全記憶の事も、記憶が一年前から途絶えている事も、全てを教えた。
 しかし、上条は疑う事を知らず、彼女の言う事を全て受け入れた。インデックスが記憶を失ってから一年は経つが、これほど親身になって話を聞いてくれた人物を彼女は知らない。
 そんな彼だからこそ、そんな彼にこそ、助けてもらいたい。助けて欲しい。しかし、そんな彼だからこそこちら側に連れてきてはならない。
 インデックスがその意志を示すほどに、上条の意志は強固となっていく。

 救われない者こそ救われるべきなのだ。

 その考えを実践する為に、彼は全力で己が身体を鍛え抜き、強靭な身体と精神、そしていくら水に濡らしても形すら変わらない強力な髪の毛を手に入れた。


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