過去ログ - とある幻想の一撃男(とある×ワンパンマン)
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/03(日) 05:32:14.86 ID:g4FKKuxko
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 上条家の朝は早い。夏の茹だるような暑さに目が覚めてしまうのも理由の一つだが、最近は何故か知らないが居候が出来たお陰でおなかがすいたと起こされると言うのが大きな理由だ。
 しかし今日、彼が早起きをせざるを得なかったのは、インデックスによる目覚ましではなく、インターホンからの呼び鈴であった。
 朝の五時に一体誰だよ、と無警戒にも眠気まなこで扉を開くと、そこにはいつぞやの魔術師の一人が居た。

 神裂火織は玄関に入り込むなり土下座した。

「弟子にして下さい」
「え、ヤダよ面倒臭い」
「ッ……!?」
「何故、みたいな顔されたってやなもんは嫌なんだよ」
「人目を避けてこんな時間に来たのに……」

 にべもなく突き放された事で神裂はしょんぼりとしながら、土下座の体勢からそのまま女の子座りをする。
 態とではないのだろうが、あまりにもあざとい姿に上条は思わず頬を引きつらせた。

「そりゃ魔術師なんだからこんな場所に居たら駄目だろ。え、何? よしんば弟子になったとして、これからどうするつもりだったの?」

 今更だが、神裂は腰に刀を差し、風呂敷を背負っていた。魔術師なのだから武装しているのは百歩譲って許すとして、背中に背負ったそれは一体何なのか。上条は恐る恐る尋ねた。
「ここに住んでもいいですか?」
 風呂敷をドサッと床に下ろしながら神裂は尋ねる。
「うん、絶対ダメ。つーか必要悪の教会とやらはどうした」
 こいつマジかよ、と上条はドン引きすらしていた。
「ご心配なく。基本的に私はフリーで行動していますので、指令があれば動きますが、それまでは基本的に何処に拠点を置こうと私の勝手です」
「それが科学の街じゃなけりゃな!!」
 インデックスはまあ、色々と込み入った事情があるから居候にするのも吝かではなかった。
 しかし、この神裂という女は一体どういうつもりなのだろうか。インデックスもそうなのだが、仮にも年頃の女がそんな無防備を晒して良いものなのだろうか。
 ヒーローを志している上条だからこそ過ちは起きないし起こさせない所存ではあるが、一介の男子高校生なら間違いが起きて然るべき漫画チックな展開である。

 すると、神裂が風呂敷の中を漁り始めた。上条は何をする心算だとばかりに身構える。

 札束が上条の目の前にドサリとぶちまけられた。

「部屋代払います」
「ちゃんと歯ブラシ持ってきたか?」

 ヒーローも金には勝てなかった。そんな夏休み五日目の早朝であった。


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