過去ログ - とある幻想の一撃男(とある×ワンパンマン)
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31:ウニと超電磁砲と一方通行(1)[saga]
2014/08/03(日) 05:54:34.54 ID:g4FKKuxko
 気がつけば上条は、どこぞの魔術師達と会話を交えたオフィスビルの屋上に居た。
 ぐったりと脱力して、高層ビルから一望できる美しい景色を独り占めしてみるが、今はそんな夕焼けを楽しむ余裕など存在しない。
 オレンジに染まった上空では飛行船がその日のニュースをだらだらと垂れ流していた。
 水穂機構が研究業務提携から撤退した、だとか明日の天気は晴れですだとか、静かに黄昏ていたい夕暮れ時に、やたらと不躾な飛行船である。
「はぁ、はぁ……ちょっとアンタ、ホントにどんだけなのよ……」
「そんな数のジュースを持って俺についてきたお前もどんだけだよ」
 すると、上条を追いすがって来たらしい美琴が肩で息をしながら、両手に抱えたジュース缶を屋上にぶちまけた。
「大体、コレはアンタの取り分なんだからちゃんと持っててよね!」
「いやいや、受け取ったら確実に共犯扱いされるだろうが」
 そうやって憤慨しつつも、足元に転がってきたジュースを拾い上げてラベルを見る。
 “ヤシの実サイダー”はまあ見た目も名前も幾分かマシだろう。

 ただ、こんな真夏日に“ほっとおしるこ”が混ざっている意味が分からないし、“黒豆サイダー”や“きなこ練乳”など最早悪意の塊にしか見えなかった。
 色物だらけの自販機でジュースを買おうとしていた事に愕然すると同時に、普段からあの自販機からかつ上げ的にジュースを巻き上げていた美琴の趣味の悪さに驚愕する。

「何よ、“ガラナ青汁”とか“いちごおでん”何かを引き当てなかった美琴さんの強運を褒め称えなさいよ」
 ひくひくと上条が頬を引きつらせているのを見て、ラインナップに不満を感じたらしいと勘違いした美琴は頬を膨らませながらそう告げた。
 学園都市は、いわば実験都市である。無数に存在する大学や研究機関から提供される商品の実施テストは学園都市内全土で行われていた。
 つまり、この悪趣味甚だしいジュースの数々も、そんな試験の一つとして売り出されている。
 そんなもん売るんじゃねーよと声を大にして言いたい所だが、こうした実験的商品は基本的に利益を度外視している為に非常に安価なのである。
 安価だからといって売れるかどうかは話が別なのだが。


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