過去ログ - とある幻想の一撃男(とある×ワンパンマン)
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/03(日) 05:08:24.36 ID:g4FKKuxko
「逃げてください!」
 少女は叫んだ。自身を守る為に見知らぬ他人を犠牲にするなど出来るはずもない。そんな善性を有した少女だった。
 しかし、裏を返せばそんな心優しい少女を、不良達はその心までも犯そうとしていたのだ。その事実だけで、少年の心はマグマのようにふつふつと煮え滾っていく。

「いいぜ、テメェがその力で何でも思い通りに出来ると思ってるのなら……」

 少年は迫る炎に対して逃げる素振りも見せずに右手を振り被った。

「まずは、そのふざけた幻想をぶち殺す!!」

 振りかざした右腕が炎を捉えると、炎は一瞬にして消え去った。
 科学的に打ち消されたのではない。初めからそこになかったかのように消滅したのだ。
「は……? ぶはあっ!!?」
 これにはさしもの不良も目が点になったが、そんな思考を置き去りにして、その不良も同じく星になった。
「ああ、ショートカットに建物の屋上を走ってたのは良いけど、まさか卵を落としちまうとはなぁ……不幸だ……」
「あ、あの……」
「何だ? まだ居たのか」
 アンタこそ逃げれば良かったのに、と少年はからからと笑う。
「助けていただいてありがとうございます……もしよろしければ、お名前を教えていただけませんか?」
 少女はおずおずとした様子で尋ねた。塾の事など既に頭にはなく、助けてもらったお礼をどうしようかとすら考えていた。

「さっきも言ったけどさ、俺は趣味でヒーローをやってるんだ。だからお礼なんていらねーよ」

 見返りを求めてやってるわけじゃねーんだ、と言い残して少年は踵を返す。
 少女はそんな少年の背中を呆然と見つめていた。


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