過去ログ - 京太郎「全国料理修行…え、麻雀じゃなくて?」【安価】
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142: ◆kMdoUJ39Cc[saga]
2014/08/11(月) 22:01:58.62 ID:RnLbY+s80
ライブクッキングというものがある。詳しくは食戟のソーマ参照にて。

恭子「ただのお蕎麦って思うかもしれんけどな…こうやって見てるだけで、十分価値があると思うんや」

そう言う彼女の目線の先では、鼠色の生地が料理人の手で勢いよく練られ、叩かれ、引き伸ばされて。

十分すぎるほど伸びた傍から折りたたまれていく。その所作の一つ一つが蕎麦という食材を魅せていくみたいだ。

トトトトトッ! とまな板と蕎麦切り包丁が音を立てると、一本一本の断面が見えるほど。

空気を含むように釜へ入れられれば、湯の中で踊る蕎麦が、独特の匂いを店の中に放っていく。

それは粉モンみたいにパンチのあるものじゃなくて、そう、日本人であるという当たり前のことを、再認識するような望郷の匂い。

恭子「――なんや、そういう顔もできるんか」

京太郎「…あん?」

恭子「真剣な目、しとったわ。食べるだけならそんな顔せーへん…そっちのほうが、ええな」

京太郎「うっせ。俺は蕎麦作りを盗むのに必死なんだよ」

時間がもったいない。目を蕎麦に向ければ、冷水で締めているところだった。これが肝要、その時間、洗い方、全部モノにして見せる。

――隣の彼女が、また少し笑ったような気がした。



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