過去ログ - みんなで百物語
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58: ◆1KAwi07cG.
2014/08/10(日) 15:22:19.37 ID:8em3Gy5HO
あんまり、思い出したく無いんだけれどね。
あぁ、こんな始めかたをすると怖い話をするみたいだね。
いやいや、ただの失敗談だよ。ちっともこわくなんかないよ。期待しないでくれ。

私の実家は結構広くてそれでいて古いまぁ、これだけでなんとなく分かるとは思うけれど、やはり、そういった家には
曰くが付き物だと
その例に漏れなく私の家には、古くからある、首なし地蔵があった。
というよりはあったらしかった。
それは、どこからどうみてもただの石にしか見えないし、辛うじて胴体に見えなくもないようなその程度の物。ただどことなく嫌なもののきはしていた。

していた、それだけなんだけどね。特に気にもとめてなかったけれど、どうだろ心の奥では避けていたのかもしれない。
そして、どうだったかなぁ、雨の日だったかなぁ、
どうにも寝れなくて、それで起きてたのだけど。
ふと。トイレに行きたくなってね。
まぁ、田舎の夜って言うのは本当に真っ暗で、家も古いしギシギシといやな音をたてるんだ。
まぁ、何事もなくトイレにはつくんだけどね。

丁度、首なし地蔵が見えるんだ。
あぁ、えっと、トイレに渡る廊下からねそこで、黒い影がごそごそやってるのが見えた。大きな具体的にはわからないけど、四足歩行の獣だとは思った。
怖いもの知らずなのかなんなのか
それが、なんなのかを確かめたくなって
すぐに外に出たんだ、雨だったから、流石に靴を履いてね、それにもしかしたらその獣がこちらにかかってくるかも知れなかったから。
結果から言うと、その獣はもういなくなっていた。それで、その獣がいた辺りを探し回ってたら、突然寒気がしたんだ。びっくりして辺りを見渡したらすぐに気づいた地蔵を蹴り倒してた。
何処か遠くの方で。獣の鳴き声が聞こえた。慌てて部屋に戻って、濡れてることも気にしないで布団に潜り込んだ。朝まで震えながら寝ていた気がするよ。で、私は朝を迎えることはなかった。とか、そんなでもなく。普通に朝を迎えたんだ。
これで終わり。

そう、怖くないと言っただろう?
まぁ、あの黒い影の正体もわからないし獣の鳴き声もいままで聞いたことのないようなものだったけれど。
あぁ、そうだ。ひとつ思い出した。

そのあと、すぐぶっ倒れたんだよね。魘されるような高熱で、特に首回りがズキズキと熱を放っていたのは自分でも覚えてるかなぁ。まぁ、いま思い出したんだけど。

何日くらい寝てたかって?三日だったかな次の日に熱が引いてなかったらもう、快復は見込めないって言われてらしいね。
それからは本当になにもない。

しつこいなぁ。本当になにもないって

あぁ、強いて言うなら、それから動物に嫌われてるね。いや、私を見て吠えるとかそんな、よくあるオカルトでもなく。
ただ、私が近づくと怯えるんだよね、逃げることもできないくらい。だからあんまり近づかないようにしてる。
それだけだよ、今度こそ終わりでいいかな?

話終えた彼女に僕は声をかけることはできなかった。

だって、大きな黒い獣がいまもまだ彼女の後ろで大きな口を開けていたから。



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