過去ログ - いーちゃん「魔法少女?」哀川「そうともさ」
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185: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/08/15(金) 01:07:29.06 ID:LvqvQdD5o
癒しの魔法か。
マミちゃんが使っていた回復魔法の強化版みたいなものか。
確か魔法ってのは祈った願いに左右されるらしい。
それはそれで便利だね。
この子がもう少し早く契約してれば僕の腕もくっついたんだろうなぁ。

「大丈夫かい?立てる?」

僕は優しい青年をきどりながら美樹さやかと呼ばれた彼女に声をかけた。
差し出した手を払われてしまう。
ひどい。

「…あんたもあいつの味方?」

ドスの聞いた声でさやかちゃんは聞いてくる。
いや、別に味方ってわけじゃないんだが。

「彼女とは行動をともにしてるだけで仲間ってわけじゃないと思うよ」

杏子ちゃんもそう思ってそうだし。

「…そう」

さやかちゃんは恐らくもう治ったであろう体に力を込めて立ち上がる。
どうやら傷は直せても疲労は治せないらしい。

「…人のために祈ったんだってね」

もういいや、言っちゃおう。
ここまで来たらさんざん足でも引っ張ってやろう。

「…悪いの?」

ぎろり、と睨みながらさやかちゃんは言う。

「悪いかどうかはわからないさ。でもそれって回り回って自分の為だったりしないの?」

さやかちゃんは目を見開いてサーベルに手を掛ける。
よほど気が立っているようだ。  

「…そんなわけないでしょ…!私は何も見返りなんか求めちゃいない…!!」

へぇ、そうやって逃げるのか。
それはそれで楽そうだ。

「逃げるなよ、自分の為だろ?」

サーベルが僕のほほの横を突き抜ける。

「黙れ!」

吠える吠える。
負け犬と言う言葉がぴったりだなこの子。

「君はさ、人のために祈ったつもりで本当は自分の利益しか考えてないんだよ」

だから卑怯だ。
似ているね。
逃げた先に何があるのかも知らないくせに。

「ほら、刺せよ、僕は痛みなんか感じない」

本当はすっげぇこわいけど。

「…あんたは何なのさ…魔法少女でもないあんたになんでそんなこと…!」

次第に声が小さくなっていく。
痛いところをついたのだろう。
今にも発狂し出してしまいそうだ。

「だから」

認めろよ、後悔してるんだろ?
僕は呼吸するようにそう言い放った。

「…私は…!私は…!」

ぽき、と。
僕は何の前触れもなく残った方の小指をへし折った。
いつかやったときみたく。


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