過去ログ - いーちゃん「魔法少女?」哀川「そうともさ」
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◆EWlGtrnu5g
[saga]
2014/08/15(金) 23:20:44.49 ID:LvqvQdD5o
「話を戻すな」
そう言って佐倉杏子は真面目な顔になる。
「まぁそんなことがあったからさ、オヤジは破門されちまった」
あたし達はその日生きるために飯を食うのも辛い生活だった。
ロッキーというお菓子を齧りながら佐倉杏子はなんでもないふうに話す。
「…そんな時だったんだ、あいつが現れたのはさ」
言わずともわかる。
窮地に陥った素質ある少女の前に現れるやつは一人だけだ。
選択の余地のない選択をさせ魔女と戦うことを強いる
一見魅力的だがだからこそ共に着いてくるリスクなど考えさせもしない。
そんなやつが。
「あたしは願ったよ、オヤジの元にもう一度人が集まるようにってさ」
それが佐倉杏子の願い。
人のために願った魔法少女を罵った者のの願い。
「その代わりあたしは毎晩魔女退治さ。でもね」
辛いことなんてなかった
前より皆で腹いっぱい食べられて幸せだったよ
そう言ってまたどこか遠い目をする。
「だけどそういうのって長くは続かねぇもんさ、ある時オヤジにバレちまった」
「なんて言ったと思う?オヤジのやつ」
「お前は人を惑わす魔女だってよ、笑っちまうだろ?」
魔女と毎晩命のやり取りをしてたやつに言うんだぜ、それ
佐倉杏子は笑う。
負けないように。
強く笑う。
「そっからは早かったよ、オヤジが一家心中を図ったのさ、みんな死んじまったよ」
魔法少女のあたし以外はな
そう言って佐倉杏子は後ろを向く。
「…見てられないんだよ、あんたみたいなやつ」
次第に声が小さくなっていく。
「あたしは今自分のために力を使ってる」
「…でもあんたは今も間違え続けてんのさ」
声が震える。
「…いつかきっと後悔する!いつかきっと人を呪う!!」
もう見たくねぇんだよ、そんなバカ
それっきり佐倉杏子は黙ってしまった。
何かを待つように。
「…」
「…あんたのこと誤解してた」
「それでも私は、人のために願ったことを後悔なんてしない」
「私の力は人のためにあるから」
ロッキーを噛み砕く音がする。
分かり合えないことくらい分かっていたはずだった。
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