過去ログ - いーちゃん「魔法少女?」哀川「そうともさ」
1- 20
223: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/08/18(月) 04:43:28.91 ID:tWcCxh/Yo
「親父に殺されかけたんだ」

佐倉杏子は自分の過去を一片残らず語った。
自分でも何故出会ったばかりの怪しい女に語ったかはわからない。

「ほんと奇遇だな、私もさ」

今も殺そうとしてるかも
と哀川潤はなおも笑った。

「こんなの慣れちまえば対したことねぇよ」

頭に来る。
こういう無神経なやつが。
さっきの言葉を思い出せ。
あたしとお前は違うんだよ。

「それはてめぇに拠り所があるからだろ!」

怒鳴る。
きっと哀川潤は持っている。
佐倉杏子がかつて失って、その後自分から手放した拠り所を。 
もう手に入らないものを。
そう怒鳴ると哀川潤はふっと優しい顔になった。

「…なぁんだよ、お前」

すぐに意地の悪い顔に戻る。
もしかしてこの顔がデフォルトなのかもしれない。

「友達が欲しいだけじゃねえか」

私がなってやろうか?
何を馬鹿な、そんなこと 

「簡単じゃねえか、いっぺん喧嘩して仲直りすりゃもう友達さ」

満面の笑みでそう言った。
きっと彼女の目的には自分が必要なのだろう。
きっとそのために近づいてきたのだろう。
それでも彼女のその言葉が嘘だとは思えなかった。

「まぁ、最初から友達とは言わねぇよ」

取り敢えずは同居人でどうだ?
そう言った。
分からない。
どうしてもわからない。
自分の頬を濡らすモノが何なのかは分かっているがその理由付けが出来ない。
捨ててしまった。
あの魔法少女は今でも人のために戦い続けているんだろうか。
巴マミは、今でも自分の事を思ってくれているだろうか。

「たっ、戦い方教えろよ…!」

佐倉杏子は他所を向いた。

「もちろんだ」

哀川潤は静かに笑った。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
254Res/141.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice