過去ログ - いーちゃん「魔法少女?」哀川「そうともさ」
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230: ◆EWlGtrnu5g[saga]
2014/08/18(月) 05:42:46.75 ID:tWcCxh/Yo
「どこに行く気だ?」

鹿目まどかの母、鹿目詢子は娘に聞く。
いつもは理解ある母だが今日ばかりは譲る気などないだろう。

「行かなきゃいけないところがあるの」

「何の為に」

「友達のため」

ばちん、と頬を叩く音がする。
今まで手を挙げたことは一度もなかった。
それほどまでによくできた娘だったからだ。
鹿目詢子は大きく叫ぶ。

「てめぇ一人の命じゃねぇんだ!」 

「私一人の命じゃないけど!!」

さらに大きな声で鹿目まどかは反論する。
その声の大きさに鹿目詢子は僅かながらたじろいだ。

「…私のために戦ってくれた人がいる」

鹿目詢子は黙って話を聞く。

「変なんだけど私ね、夢を見たの」

「とっても怖い夢でさ」

「何度繰り返しても迷路から出られないような、そんな夢」

「だから私は願ったの」

「もう嫌だって」

「こんなの嫌だって」

壊してって、と真剣な鹿目まどかは目つきで鹿目詢子を見つめる。
今までにないような。
不謹慎ながらも少し嬉しくもあった。
あぁ、自分の娘はこんなに立派に成長したんだと。

「…私にしか出来ない事があるなら、それをしなきゃいけないの」

道理なんか少しも通っていない。
無理難題もいいところだ。
しかし、鹿目まどかはそれでも真っ直ぐに見つめた。
運命を見つめた。

「…帰ってこれるのか?」

「…私が帰ってくるところは…ここしかないよ」

にっこりと笑うと鹿目まどかは走り出して行った。 
一度も振り向くことなく走り出して行った。
どんな辛いことだとしても。
それでも彼女にしかできないことがあるかもしれない時。
彼女は走り出す。
信じるモノの所へと。


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