過去ログ - いーちゃん「魔法少女?」哀川「そうともさ」
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◆EWlGtrnu5g
[saga]
2014/08/18(月) 05:42:46.75 ID:tWcCxh/Yo
「どこに行く気だ?」
鹿目まどかの母、鹿目詢子は娘に聞く。
いつもは理解ある母だが今日ばかりは譲る気などないだろう。
「行かなきゃいけないところがあるの」
「何の為に」
「友達のため」
ばちん、と頬を叩く音がする。
今まで手を挙げたことは一度もなかった。
それほどまでによくできた娘だったからだ。
鹿目詢子は大きく叫ぶ。
「てめぇ一人の命じゃねぇんだ!」
「私一人の命じゃないけど!!」
さらに大きな声で鹿目まどかは反論する。
その声の大きさに鹿目詢子は僅かながらたじろいだ。
「…私のために戦ってくれた人がいる」
鹿目詢子は黙って話を聞く。
「変なんだけど私ね、夢を見たの」
「とっても怖い夢でさ」
「何度繰り返しても迷路から出られないような、そんな夢」
「だから私は願ったの」
「もう嫌だって」
「こんなの嫌だって」
壊してって、と真剣な鹿目まどかは目つきで鹿目詢子を見つめる。
今までにないような。
不謹慎ながらも少し嬉しくもあった。
あぁ、自分の娘はこんなに立派に成長したんだと。
「…私にしか出来ない事があるなら、それをしなきゃいけないの」
道理なんか少しも通っていない。
無理難題もいいところだ。
しかし、鹿目まどかはそれでも真っ直ぐに見つめた。
運命を見つめた。
「…帰ってこれるのか?」
「…私が帰ってくるところは…ここしかないよ」
にっこりと笑うと鹿目まどかは走り出して行った。
一度も振り向くことなく走り出して行った。
どんな辛いことだとしても。
それでも彼女にしかできないことがあるかもしれない時。
彼女は走り出す。
信じるモノの所へと。
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