過去ログ - 昼下がりの女子中学生 百合ver
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118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/10(日) 16:55:56.25 ID:hOlQShf80
それから、7月は急速に終わりを告げた。猛暑と台風を何度か乗り越えた8月。

谷川とキャプテンは相変わらずだった。恋愛のアドバイスができる程私には経験がなかったし、部活終わりに襲われたと呆れながら述べる谷川の顔はそこまで嫌悪もなかったので、まあいいかと放っておいた。
思春期だし、しょうがないじゃん、と一蹴すると怪訝な目で見られた。
カンが良さそうだから気づかれたかもしれない。


そして、今日は精霊流しの日。
かやと私はあちらこちらで破裂する爆竹の音に、耳を手でふさいで精霊船を眺めていた。

「うっさ……」

「でも、綺麗。見て」

握っている手とは逆の方でかやが指を指した。
いつもはあくせくと働く人の波が広がる交差点。今は、無数の霧子灯篭が横切っていく。

「でも、ちーちゃんはもっと綺麗」

「かやの方が……」

無理矢理に着せられた浴衣。かやは少ししゃがんで、満足そうに私の頬にキスをする。

「ちょっとッ」

「ありがと」

観衆は何度も繰り返される破裂音と、「なんまーど、なんまーど」とホイッスルに合わせて船を動かす男衆に目を奪われていて、私たちのことなど気にも留めていない。

「おばあも見てるかな」

「二階から見えるからね……今のも見られてたりして」

「おいおい……」

冗談じゃない。






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