過去ログ - 昼下がりの女子中学生 百合ver
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119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/10(日) 17:13:26.94 ID:hOlQShf80
「あ、大きいの来たよ」
10m以上はある船体がぬっと交差点の中心に入ってくる。
担ぎ手もさっき通っていた船の倍以上いる。
観衆から喝采が沸き起こる。
「……ん?」
担ぎ手の中に、見慣れた顔があった。
「どうしたの?」
かやが尋ねる。
「んー……店長がいたような」
まさか、あの人80歳だし。
「どれどれ?」
二人で、群衆にまみれる担ぎ手を睨んだが良くわからなかった。
「店長もさ……早くに息子を亡くしたって言ってた」
「そっか……」
私は気遣いながら、かやの横顔を見た。
「船、流し場に向かってるね、行こうか」
かやの手を引く。少しでも離してしまえば、きっと人波に飲まれて、ちりじりになってしまうだろう。
「そうだね」
死者の御霊を乗せた船が、どんちゃんどんちゃんと死者の国に誘われていく。
海の向こうへいるらしい生きてるか死んでるかも分からない父に思いを馳せながら、母もどこかで見ているかもしれない。
仕事に追われながらも、私の幸せを願う母は、同じように父の幸せを願っているのだろうか。
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