過去ログ - 昼下がりの女子中学生 百合ver
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19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/07(木) 05:35:34.63 ID:IhTiIHDn0
「まさか、こうやってサボろうとした時用に買っておいたの?」
「どうでしょう」
「……暇人」
「ちーちゃんが勉強してくれるように色々考えてるんだよ?」
目も完全に冴えたので、仕方なく私は勉強を再開した。
こんな風に、伊藤さんは昔から私の家によく出入りしていた。
お昼や夕飯もよく一緒に食べる。
伊藤さんの家に、おかずを届けに行くことも何度かあった。
去年の暮れには年も一緒に越した。
私と母親と伊藤さんと、伊藤さんのおばあちゃんと4人で。
伊藤さんの家には父親も母親もいない。
いるのは年老いたお婆ちゃんと、老犬が一匹。
伊藤さんの両親が亡くなったのはもう何年も前の冬だった。
路面が凍結していて二人の乗った車がスリップ。
民家に突っ込んで、二人とも即死だった。
お葬式に行った時、近所のおじさんが、『またか』と言ったのが今でも耳に残っている。
『またか』は事故に対してか、お葬式に対してかはわからない。
その時、そのおじさんがかなり小声で言ったのも知っている。
でも、私には伊藤さんが聞こえていたのがわかった。びくりと震えていた肩を見て、私はかける言葉が見つからなかった。
彼女は何も言わなかった。私だけがそれを知っていたのに。とても悔しかったのを覚えている。
うちの母親は、伊藤さんのことをよく気に掛ける。
伊藤さんのおばあちゃんのことも。
おばあちゃんは事故のショックから、少し体調を悪くしたみたいだった。
私が知っているのはそのくらい。
全部、母親からの受け売り。
私が気にしてもしょうがない。
「ちーちゃん」
「なに」
「ペン、落ちたよ?」
机の下を見ると、足元にシャーペンが転がっていた。
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