過去ログ - 昼下がりの女子中学生 百合ver
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83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/08(金) 23:43:10.64 ID:hxj0TQd00
「寂しい時は寂しいって言っていいんだよ?」
伊藤さんがぽつりと言った。それは、いつかどこかで聞いたことがある。
二人分の朝ごはんを用意していた母が、いつの日か一人分だけを作るようになった頃に、そんな言葉を聞いた気がする。
あの時、はっきりと言えば良かったのだろうか。強がらずに。
そうすれば、食卓の上には二人分の朝ごはんがまだ並んでいたのか。
「ちーちゃん?」
「あ……」
このソファーの上に、伊藤さんではなく母が座っていたのだろうか。
一番寂しいはずのあの人を置いて、私だけ寂しいなんて言っていいのか。
私は伊藤さんを母の代わりにしか見ていないんじゃないのか。
「ちーちゃん、自分の中だけでまたぐるぐる考えてるでしょ」
「……」
「いいよ、それでも。だから、こっち向いて」
振り返ると、今度は思い切り抱きしめられていた。
「ちょ……」
「あー、安心するなあ」
伊藤さんはわざとらしく言った。
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