過去ログ - 昼下がりの女子中学生 百合ver
1- 20
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/08/08(金) 23:43:10.64 ID:hxj0TQd00
「寂しい時は寂しいって言っていいんだよ?」

伊藤さんがぽつりと言った。それは、いつかどこかで聞いたことがある。
二人分の朝ごはんを用意していた母が、いつの日か一人分だけを作るようになった頃に、そんな言葉を聞いた気がする。
あの時、はっきりと言えば良かったのだろうか。強がらずに。
そうすれば、食卓の上には二人分の朝ごはんがまだ並んでいたのか。

「ちーちゃん?」

「あ……」

このソファーの上に、伊藤さんではなく母が座っていたのだろうか。
一番寂しいはずのあの人を置いて、私だけ寂しいなんて言っていいのか。
私は伊藤さんを母の代わりにしか見ていないんじゃないのか。

「ちーちゃん、自分の中だけでまたぐるぐる考えてるでしょ」

「……」

「いいよ、それでも。だから、こっち向いて」

振り返ると、今度は思い切り抱きしめられていた。

「ちょ……」

「あー、安心するなあ」

伊藤さんはわざとらしく言った。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
136Res/80.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice