過去ログ - 阿良々木暦「みずきアワー」
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10: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/08/07(木) 22:51:52.98 ID:iJvGxYcs0


003


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かしゃん、と音がした。

「……さん、川島さん?」

声を掛けられ、意識が底から浮上する。
聞き慣れた声。
どこか優しくて、落ち着く彼の声。

「プロデューサー……」

眼を開けると、学生服を着た彼の姿が視界いっぱいに現れた。
どうやら横になっている私を上から覗き込んでいるようだった。

……学生服?

いや、それよりも寝顔を見られたことの方を危惧すべきだ。
よだれとか出てないかしら……。

「ここは?」

口周りや身だしなみを一通りチェックしつつプロデューサーに問う。
よし、とりあえず問題なし。

「公園だよ。川島さん、こんなところで昼寝でもしていたのか?」

無防備にも程があるぞ、と呆れ顔で言う彼。
周りを見渡すと、ブランコやシーソー、名前は忘れたけれど回転するジャングルジムみたいな遊具などが見える。
見たこともない公園、の筈だ。

その筈なのに。

私は、この場所を知っている気がした。

「えっと……」

何から聞けばいいのかわからない位に私の置かれた状況は意味不明だ。
とりあえず、思い付いたことから聞いてみる。

「なんで学生服なんて着てるの?」

サラリーマンにあるまじき髪の長さと何処か抜けた印象を受ける彼には、前からスーツは似合わないと思っていたのだ。
今着ている学生服にぺったんこの学生カバンを持っている方が余程似合う。

「なんでってそりゃ、学校行ってたからな」

学校?

「学校って君、仕事はどうしたのよ」

「仕事って……学生の仕事は学業だろ」

話がいまいち噛み合わない。
プロデューサーはまるで自分が学生であることが当然のように話をしている。
それに、担当アイドルとは言え年上には敬語を使う彼がフランクに話しているのも気になる。



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