過去ログ - ダンガンライブ! 希望の学園と絶望のスクールアイドル
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[saga]
2014/08/17(日) 06:13:57.37 ID:qt55avpxO
食堂はマップに書かれていた通り、やたらと広く間を取られていた。室内を埋めるように設置された、一度に十数人は座れるであろう食事テーブルが数組あるが人のいないこの場所では、その光景が妙に寂しく見える。
蛍光灯が照らす室内に、凛の姿はない。
しかし、依然として悲痛な、嘆きのような叫びは聞こえたままである。
「凛っ!? 何処なの!?」
焦りの混じった絵里の声は、凛の叫びにかき消され本人の耳には入っていないのか、嘆きだけが返ってくる。
「あの奥よ! キッチン!」
室内を見回す絵里に、にこは食堂内の更に奥へと続く扉を指差す。確かに、凛の声はその扉の奥から聞こえてきているようであった。すぐに三人はその扉に駆け寄る。
「嘘にゃああぁああああ! こんなの、嘘に決まってるにゃあぁああああ!」
叫びの漏れる扉のノブを、絵里が握る。自然、にこの喉が鳴る。この先にあるのは、悲惨な光景かもしれない。しかし、今はこの悲鳴の原因を確認しなければならない。
「開けるわ」
「きっと何でもないことやって」
ノブが回され、ゆっくりと扉が開けられていく。こんな時でも冷静でいられるのか、と希を見たにこは、希の手が僅かに震えていることに気付いた。口では強がりを言っていながら、実のところは希だって、悲惨な光景を想像してしまっているのだろう。
手を伸ばし、にこは希の手をそっと握った。自分の手も震えているのに気付いたのは、握った後だった。希は一瞬驚くような顔を見せたが、すぐに薄く笑って、握り返してくる。
開かれたドアの先へ、にこは視線をやった。
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