148: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2014/12/23(火) 01:31:29.69 ID:wRoccS0KO
お人好しと云うか、世間知らずと云うべきか――
凛が、やや困惑しつつ何度も目を瞬かせていると、
「養成所から紹介を受けた事務所ですし……それに、ずっと、アイドルになりたいと思ってましたから」
そう呟いて、少女はやや恥ずかしそうに顔を伏せ、自らの組んだ指を見るように視線を下げた。
言葉の裏に秘められた、アイドルへの強い憧れを感じ取った凛は、どう受け取ればよいか迷った。
「自分もアイドルとして輝きたい」と同意する理想主義的な見方、
「夢想家だね」と冷ややかで現実主義的な見方、その両方が頭中に渦巻いているからだ。
そして、何の取り柄もない自分が、果たして、
熱意を持ったこの子と同じ立場に乗ってしまって良いのだろうかと云う逡巡も。
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