過去ログ - 絵里「その花の色は海のよう」
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40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 17:04:51.21 ID:PqSllGERo

「それで、この先をまっすぐでいいんですか?」

 そうね、そのうち突き当たるからそこを左よ。
 この抜け道、希に教えてもらったんだけど日陰が多くてありがたいのよ。
 ほら、私って肌弱いから。
 にこほどじゃないけど、ケアにも気を使ってるのよ。

 出しっぱなしのプランターが散らばる民家や
 路上にチョークで描かれた白い輪なんかを通り過ぎながら、
 意味もない言葉を積み重ねていく。

 会話を止めたくなかった。
 私の汗が涼しげな手を汚してしまうのが、急に怖くなったから。

 生徒会の仕事で張り慣れたはずの虚勢、
 この子には全部見透かされてる気がする。

 さっきのいきおい、なんだったんだろうって。
 胸の奥がぞわりと嫌なもので冷やされた時、
 私はどこか安全な場所へ逃げ込みたくなった。

 なんだかデートみたいですね、とその人が言った。



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