9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/08/10(日) 15:47:17.88 ID:PqSllGERo
気を使ってくれたのかもしれない。
だからわざと、私はこの青い花の話をせがんだ。
どんな風に育てたのか、
観察日記はどんなものだったのか。
たぶん、学校に向かう道のりを使って、
私の知らない昔の海未へと距離を縮めようとした、のかもしれない。
「――でですね、その年はちょうど九月一日が日曜日で。
だから急いで描き写したんですよ、絵日記を」
「穂乃果、その頃から変わらないのね……」
海未の昔話を聞きながら、
おぼろげだった小さい頃の姿に輪郭が少しずつ形ができていく。
蒔いた種が芽を出して少しずつ伸びていくみたい。
小さい頃は引っ込み思案で誰かの後をついてばかりだった、
という年下の彼女に先導されながら、
成長しきってまだ伸びる勢いのあのアサガオと心の中で重ねたりした。
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