過去ログ - 松実玄「ATGにようこそ!」
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39: ◆uyhWeNAxHY[saga]
2014/09/04(木) 00:33:47.33 ID:vYGFJtEKo

 ここからは商店ではなく住宅が並んでいるのだろうか?

 チラホラと人影や車といった、生活の空気が

 鳥居より先の道には見え隠れしている

 というかこの坂、どこまで続いているんだろうな

 遥か向こうに見える、馬鹿でかい瓦ぶきの屋根が

 金峯山寺なのかな

 てか驚く間もなく冷静に受け止めちゃったけど

 遠目にしてはデカすぎでじゃないか……?

 この坂道の終点になっているのか、周りの建物から

 頭二つは抜け出ている程のスケール。恐るべし吉野山

 鳥居のある、小高くなっていた部分は

 脇に逸れていた坂道と合流し、再び一本の道となる

 その入り口にあるのは

 柿の葉寿司なるものを出しているらしい寿司屋と

 松実館。そうでかでかと書かれた看板を道路に面し

 飄々と吹く風をなんのそのと構える巨大な木造建築で 


 ガラガラ、と音を立てて勢いよく玄関扉が開かれた


 松実館なる建物から出てきたのは

 着物(?)を着た、艶やかな黒髪を後ろで纏める

 見た目十代にも見えるやや小柄な女性で

  彼女は一度大きく伸びをすると

?「あっ……」

 建物の前で佇んでいた俺と目が逢い

 小さな声を漏らすと、不意を突かれた表情を一転させ

 とても柔らかい笑みを形作った

 これが俺と彼女との出会いで

 ありきたりで、陳腐で、酷くつまらない

 物語のはじまり、はじまり――



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