過去ログ - 松実玄「ATGにようこそ!」
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5: ◆uyhWeNAxHY[saga]
2014/08/13(水) 00:34:04.83 ID:xXgPYDyyo

 あれやこれやと好き放題言う上司に俺は

 居ても立っても居られなくなって、両手の震えを抑えながら席を立つ

「……? なんだ、須賀。どしたァ?」

 ただただ不審そうな目を向ける上司に俺の怒りは臨界点を超えてしまう

 平生の表情を保つのすら怪しくなっていたが……

 ここで手を出してしまっては、あの時の二の舞だ

 また俺は、ハンドボールを、生きがいを失ってしまう

 もう失ってしまえば取り戻せないし

 これから先、生きていくのも難しくなるだろう

 でも、それでも――

 咲が、どんな思いで麻雀を打っているのか

 どれほどの苦難を乗り越えて、今ある現実を手にしたのか

 俺は知っているから

 あいつをよく知りもしないで、見下して馬鹿にすることが

 許せなかった。絶対に認めてはいけなかった

 だけど、今の俺にはどうすることもできないし

 どうにかしたところで何かが変わるわけでもない

 そう、言い聞かせて自分を押し留める

 ここで手を出してはいけないのだと

 その自制が上手く作用したのか、手が出ることはなかった

 だが、頭が出た

 半ば以上に、衝動的に頭突きをかましていたのだ

 上司は突然の衝撃に白目をむいてぶっ倒れ

 近くにいた取り巻きやら先輩やらが俺を羽交い絞めにして

 追撃しようとするのを止める

 やっちまった、と冷静に後悔し始める自分が

 もうもうと浮かび上がって来て

 追撃をする気自体は、失せてしまっていたのだが

 少しして、会社全体にこの話が伝わると

 俺は上司のまた更に上司に呼び出され

 果てには社長やチームの監督まで交えて話をして――

 結論から言うと、俺のクビが決まった


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