3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/08/13(水) 19:18:07.66 ID:Rrtr/L4l0
勇者「……戦士よ、頼みがある」
戦士「……は、なんでしょう」
勇者「………私は、近く勇者ではなくなる」
戦士「………それは……」
勇者「言葉通りだ、今日の招集はそのような話でな」
戦士「…………」
勇者「……これより、お前を旅から外す……そして…」ドサッ
戦士「……これは?」
勇者「礼金だ、受け取っておけ」
戦士「勇者殿!!私はこのような物の為に貴方と共に居た訳では!!」ガタッ
勇者「話を最後まで聞くんだ戦士よ、まだ終わっておらん」
戦士「………続きを…」スクッ
勇者「……私は、これより一人で魔王討伐へと向かう……それが、私の最後の戦いとなるはずだ」
戦士「………連れていって貰う訳にはいかないのですか」
勇者「駄目だ、私一人ならば……敗北しようと女神の加護により蘇れるが、他の者は[ピーーー]ばそこで終わりだ」
戦士「しかし、いくら勇者殿であっても単独でなど勝機は…!!」
勇者「無かろうな、分かっている」
戦士「ならば、何故!!私は父と同じく死せる覚悟など出来ております!!」
勇者「………戦士、よく聞け……新たな勇者が現れた時…まだ何も知らぬ幼子が見知らぬ世界にただ一人放り出される恐怖……想像出来るか?」
戦士「………勇者殿?」
勇者「……私は、恐かったよ」
勇者「だから戦士、私が魔王討伐の最後の機を逃した時は、守ってくれないか、何も知らぬ幼い希望を」
戦士「………」
勇者「…頼む」
戦士「………勇者殿は、御無体な事を私に押し付けますね………私に父を越えるなと、そう言っておいでです」
勇者「…すまんな、戦士」
戦士「……いえ、勇者殿よりの最後の頼み、しかと心得ました」
勇者「………ああ、ありがとう」
戦士「……ならば、今宵は別れの酒……にならないよう祈ります」カラン
勇者「そうだな…そう願う」
…………
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